この記事の連載

 日本は世界でも有数の“贈りもの大国”だと言います。

 目まぐるしく変貌を遂げた日本の100年、いつの世も、誰かが誰かに贈りもので気持ちを伝えてきました。“贈る人”に信頼され、“贈られる人”を喜ばせる。

 そしてこれからの100年もきっと、変わらず愛される、そんなブランドの物語です。


東京でぴったり100年! の贈りもの

 世界の中でも日本は長寿企業が多い国と言われているが、100年を迎えるお店に立ち会えることはそうそうない。

 ちょうど100年前、関東大震災で東京はボロボロになっていただろうけれど、この年に生まれた店はきっと人々に希望と勇気を与えていたはず。

 100年を迎える縁起のいい店の折詰を、名店がもつ物語と一緒に贈りたい。

【since 1923】㐂寿司「握り(1人前)折詰」

 東京・人形町で四代目が暖簾を守る寿司の名店。砂糖を入れないキリッと粋なシャリや旨み凝縮のツメを使った穴子など“江戸前の技”が堪能できるほか、鮪はその香りを生かすべくヅケにしないなど、伝統にこだわり過ぎず、魚と真摯に向き合った寿司がいただける。

 歌舞伎紐をかけた折詰は詰め込みも美しく、食べ手を歓喜に導いてくれる。

㐂寿司

所在地 東京都中央区日本橋人形町2-7-13
電話番号 03-3666-1682
営業時間 11:45~14:30、17:00~21:30 (土~21:00)
定休日 日曜・祝日、ほか木曜不定
賞味・消費期限 当日
※通販不可
●予約がおすすめ。受け取り時間は予約時に確認を。

【since 1923】赤坂ふきぬき「うな重(松)」

 料亭で修業した初代が江戸前うなぎを名物に溜池山王に創業。赤坂に移転し、歴史を重ねている。屋号はもともと“富貴貫”と書き、「高貴、それを貫く」という意味。いつの時代も高品質であり続けるという想いが込められている。

 活けのうなぎを「3度焼き」の手法で焼き上げたうな重は、あっさりめのタレと深みのある味わい。

赤坂ふきぬき

所在地 東京都港区赤坂3-6-11
電話番号 03-3585-3100
営業時間 11:00~14:30(L.O.)、17:30~21:00(L.O.)
定休日 無休
賞味・消費期限 7時間
https://www.fukinuki.jp/shop_detail/akasaka/
※通販不可
●予約がおすすめ。受け取り時間は予約時に確認を。

2023.02.06(月)
Text=Kaori Minetsuki
Photographs=Yosuke Suzuki(Erz)

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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