ままならぬ毎日に叫びたくなったら「人生いろいろ」
●「人生いろいろ」 (島倉千代子)
お千代さんの横揺れを見ているだけで、脳から傲慢さや頑固さが振り落とされる。「ねえ滑稽でしょ若い頃」という恐るべきパワーワードに、マジで滑稽だった中二病の自分を思い出すかもしれない。けれど「人生いろいろ」というサビで「それもアリだ。あっはっは!」と全肯定できるので安心して聴こう。そして泣いて笑おう!
●「好きになった人」(都はるみ)
最高にロックな遠恋ソング。待っているといいつつ「好きになった」と過去形なのが女心ダイレクト! 都はるみさんは視線を常に3階席を見る感じで、斜め上に視線を飛ばしている。足元は一切見ないのに、ステージをものすごい早足で移動するのでドキドキする!
●「夜桜お七」(坂本冬美)
語るように始まり、一気に弾けるように「さくらさくら」をオマージュしたサビに流れて、クーッ高まる! 「フッフー♪」の合いの手も入れやすく、以前参加したカラオケ大会では、B’zの「ultra soul」と1、2を争うほど場の空気をブチ上げていた。忘年会シーズン、外せない一曲だ!
●「あや子のお国自慢だよ~がんばろな東北‼~」(藤あや子)
私は紅白歌合戦が大好きなのだが、これまで一番感動したステージが、2011年に出場した藤あや子さんのこの曲である。東北の美しい風景や特産品が、彼女の歌声に乗って脳内を駆けめぐる快感。また紅白で歌ってほしい!
●「河内おとこ節」(中村美律子)
聴くだけで、中村美律子さんのファンならずとも「いよっ、おみっちゃん!」と掛け声をかけたくなるし、自然と体が河内音頭を踊ってしまう恐るべき曲だ。
●「きよしのズンドコ節」(氷川きよし)
「ズン・ズンズンズンドコ、きよし!」の合いの手のキャッチーさはもちろん、楽曲全体がユーモラスで「いやなことを忘れたくなったらとりあえずコレ」状態。居酒屋メニューに例えると、ビールと唐揚げのセットくらい間違いない1曲である。氷川きよしさんの伸びる声は本当に気持ちがいい!
2022.10.06(木)
文=田中 稲