“ネジ”の秘密を探るために、娘をポルトガル人と結婚させた?

 その石碑には、鉄砲伝来の当時の様子が書かれています。

 1543年、一隻の南蛮船が来航。有志たちが南蛮船におもむこうとした時、鉄砲が放たれました。その音は雷のようだったそう。大いに驚き、害をなす者か否かと問う手紙を相手に書くと、自分たちは商人だという。台風にあって漂流し、困っていたところにこの島に漂着。害をなす者ではない証に領主へ鉄砲を献上したい、とのこと。

 当時の島主は、2挺の火縄銃を2000両で買い取りました。鍛冶屋に研究させて和製の鉄砲を作ろうという算段です。けれど模倣しても、どうしてもわからなかったのが、ネジの部分。その頃、日本にはネジが存在しなかったのです。鍛冶屋はその秘密を探るために、娘をポルトガル人と結婚させた、なんて伝承も残っています。

 高い山がないせいか、視界が広くて、爽快な種子島。おまけにサーフィンやダイビングもさかん。JAXAの社員食堂も行きたかったし、1泊2日なんて、短すぎました。次回のロケット発射に合わせて、再訪をもくろんでいるところです。

種子島

●アクセス 鹿児島空港から種子島空港まで約40分。あるいは鹿児島空港からシャトルバスで鹿児島港へ、そこから種子島の西之表港まで高速船で約1時間35分、フェリーで約3時間30分
●おすすめステイ先 サンダルウッド
https://www.hotel-sandalwood.com/

【取材協力】
種子島観光協会
https://tanekan.jp/

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2022.02.12(土)
文・撮影=古関千恵子