歴史の転換点となった鉄砲伝来の地「門倉岬」へ

 駐車場が整備され、夏には展望所のある管理施設「シーサイドハウス」も開かれる浦田海水浴場。パステルピンクのブランコが置かれた段丘から降りると、大きな孤を描く白砂ビーチが広がっています。海の色はさすが、トロピカル。「日本の水浴場88選」にも選ばれています。

 浦田海水浴場にほど近いパワースポット、浦田神社へお参り。境内にある450×250センチもの巨石の“御種子蒔石”から祭神ウガヤフキアエズノミコトが稲の種を蒔いたことから、全国に稲作が始まったとか。

 パワーを吸収したいと思いながらも、急いでレンタカーに飛び乗って南種子町の「種子島宇宙センター」へ。“種子”島という名前から、勝手に“種のように丸くて小さい島”だとイメージしていたもので、南北縦断に1時間半以上かかるのは予想外だったのです。

 種子島宇宙センターは、海に面して970万平方メートルもの敷地が広がる、別名“世界一美しいロケット発射場”。

 宇宙科学技術館では、ロケットや宇宙科学にまつわる展示や、大スクリーンとスモークで発射の瞬間を臨場感たっぷりに演出する体験コーナーなどが見学できます。

 ロケット発射の瞬間の見学もさることながら、その前の準備段階が観られるのも、醍醐味。名古屋の工場で製造されたロケットが専用コンテナに格納されて船で運ばれ、上陸。交通量の少ない深夜に大型トレーラーでロケット発射場まで運びます。その際、トレーラーが交差点の信号にひっかからないように、信号機をくるりと転回させるのだとか!

 宇宙科学技術館前のビーチも、風光明媚で美しそう。それにJAXAの社員食堂である「種子島宇宙センター ゲストハウス」のロケットカレーも食べてみたい。後ろ髪を引かれながらも慌てて、種子島最南端の鉄砲伝来の地「門倉岬」へ。

 そして「鐵砲傳来 葡國人上陸之地」と彫られた石碑が建つ浜に到着したのは、日没間もない頃でした。

2022.02.12(土)
文・撮影=古関千恵子