山﨑賢人主演『夏への扉-キミのいる未来へ-』が、現在公開中の三木孝浩監督。そのフィルモグラフィを振り返る【後篇】では、初のアクション・シーンにも挑んだ『きみの瞳が問いかけている』など、新たな局面について伺いました。
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●「キラキラ映画」は自分の強みや得意技
――2014年公開の『アオハライド』あたりから、少女マンガ原作の映画化が「キラキラ映画」と呼ばれるようになりましたが、どのように捉えられていますか?
『僕等がいた』がヒットしたおかげで、いろんなプロデューサーさんから少女マンガ原作のラブストーリーの企画をいただけるようになったんです。僕は元々そういったジャンルムービーに対して、何の偏見もなかったですし、それが自分の強みや得意技になったことは、結果的に有難く、とても嬉しいことです。この後に、合唱部を題材にした『くちびるに歌を』(15年)を撮るわけですが、その切り替えも、すぐにできました。
――16年には河原和音原作の『青空エール』を土屋太鳳&竹内涼真で撮られます。翌17年には生田斗真&広瀬すずで『先生! 、、、好きになってもいいですか?』を撮られますが、そんな河原作品の魅力は?
河原先生の作品は、セリフがとにかく難しいんです。ポエティックなこともあり、マンガとして読むと胸を打つセリフなんですが、リアルな人間が発言するとなると、演者がなかなか咀嚼し難い。それをリアルに落とし込むように心がけました。『青空エール』はラブストーリーというよりは、スポ根ムービー要素を強めて、『先生!』は未成熟なキャラクターをいかに魅力的に見せるかということに徹した作品になったと思います。
2021.07.16(金)
文=くれい響
撮影=山元茂樹