ウミウの集まる断崖がそびえる島には雄大な自然が広がる
三崎港が発展したのは、地理的な優位性によるものも大きいそうです。目の前の城ヶ島が天然の防波堤として、港を守っているのです。
城ケ島大橋を渡り城ヶ島へ。東西約1.8キロ、南北約0.6キロの細長い島で、東半分には「県立城ヶ島公園」、西半分は民家や商店も並ぶ地元の暮らしがある島です。
相模湾に面した島の南側には、雄大な自然が広がっています。
海底から隆起したごつごつとした波蝕台が露出し、荒波が削った海蝕崖がそびえ、太平洋から吹き付ける強風でクロマツはかしいでいます。
海沿いの遊歩道には強風からガードする竹藪が連なり、足元には1月中旬~2月中旬にかけて10万株ともいわれる八重水仙の小道が続いています。
そしてところどころでパッと視界が開け、雄大な海と荒々しい地形が広がることも。
「ウミウ展望台」では11~4月にかけて2,000羽のウミウが飛来し、切り立つ断崖で鳥たちが羽を休める光景は圧巻。県指定の天然記念物として指定され、「城ヶ島の落雁」として“三浦半島八景”にも選定されています。
そして波風に浸蝕されてぽっかり穴が開いた「馬の背洞門」は、穴の向こうに太平洋を望む、自然が生み出した造形です。関東大震災以前は、満潮時にはこの洞穴を小船で通り抜けすることもできたとか!
美食あり、レトロな街並み散策あり、雄大な自然あり。首都圏から2時間圏内であることを忘れさせる、濃厚な日帰りショートトリップが楽しめます。
城ヶ島&三崎港
●アクセス 東京から車で約2時間。または品川駅から京急線で三崎口駅へ約1時間17分。そこからバスやレンタル自転車で。
【取材協力】
三浦市観光協会 https://www.miura-info.ne.jp/Column
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2021.02.27(土)
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