●憧れは事務所の先輩、福山雅治

――本作では、これまでと違うどんな新しい甲斐さんが観られますか?

 ふくだ(ももこ)監督から最初、「この映画にとって、オアシスのような存在でいてください」と言われたんです。それは、とても難しいことでしたが、ここまで優しいキャラはいそうでいないので、そこに挑んだところを観てほしいですね。

――年末にはミュージカル『RENT』の公演も控えていますが、今後の展望を教えてください。

 芝居も音楽も好きなので、これからは歌の持つ力を存分に感じられるミュージカルもどんどんやっていきたいです。

 また、表現方法のひとつとして、音楽にも興味がありまして、例えば、自分で曲を作ったり、バンドを組んだり。それがかたちになったら、それが自分の武器のひとつになるんじゃないかな? と思っています。

 そういう意味では、事務所の大先輩である福山雅治さんに憧れています。

甲斐翔真(かい・しょうま)

1997年11月14日生まれ。東京都出身。15年に俳優デビューし、翌年に「仮面ライダーエグゼイド」のパラド/仮面ライダーパラドクス役に抜擢。その後「花にけだもの」('18・'19年)、「覚悟はいいかそこの女子。」('18年)、『シグナル100』(2020年)、『#ハンド全力』('20年)などに出演。'20年に夜神月を演じた『デスノート THE MUSICAL』に続き、11月からは『RENT』(シアタークリエ)の公演が控える。

『君が世界のはじまり』

大阪の端っこのとある町。深夜の住宅地で、中年の男が殺害される。犯人は高校生だった。この町に住む高校2年生の縁(松本穂香)は、彼氏を次々変える親友の琴子(中田青渚)と退屈な日々を送っていたが、琴子は彼女に憧れるサッカー部主将・岡田(甲斐翔真)がいるなか、同じサッカー部の業平(小室ぺい)に一目ぼれしたことで、2人はすれ違うようになる。同じ高校に通う純(片山友希)は、母が家を出ていったことを無視し続ける父親に何も言えぬまま、放課後ショッピングモールで時間をつぶす。ブルーハーツを聴きながらふと通りかかった屋上で、東京から転校してきた伊尾(金子大地)と会い、求めるものもわからぬまま体を重ねるようになっていき……。そんなある朝、父親殺しの犯人が逮捕され……。郊外の気怠い空気とそれぞれの感情が混じり合い、物語は疾走していく。
https://kimiseka-movie.jp/
全国公開中。
(C)2020「君が世界のはじまり」製作委員会

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2020.08.14(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖