百恵イズムにムラムラ!
「これは山口百恵しか歌えない!」。そう鼻息が荒くなる3曲をご紹介しよう。
●「愛の嵐」
歌自慢の人はぜひ挑戦を。「storm(ストーム)」を連発するサビが超難しいぞ! ヘタをすると「ストンストンストン!」と階段から転げ落ちるような発音になり、歌の緊張感がゼロになる危険がある。舌を噛む危険もある。危険だらけなので皆の前で披露する前に1度は自主練習しておこう。
●「横須賀サンセット・サンライズ」
横須賀といえば百恵、百恵といえば横須賀。幼少期を横須賀で過ごしたということで、横須賀曲は数曲あり、シングル「横須賀ストーリー」は言わずもがな名曲。だが、この曲も冒頭の「横須賀ぁー↑↑」という百恵ちゃんの雄叫びが最高に高まるのでぜひこの機会にリッスン!
●「輪廻」
強い百恵ちゃんを堪能できる一曲。どれだけ生まれ変わっても女に生まれてやるわ! ウフフ、アハハハ……という素晴らしく粋な曲。
百恵カバーおすすめ3選
さて、このサブスクリプションで百恵楽曲にハマった人に、オススメカバーも3曲ほどご紹介。
●「謝肉祭」(三浦祐太朗)
言わずもがな、三浦友和と山口百恵ご夫妻のご子息である。
「友和と百恵の息子、カバーアルバム出したってよ」と聞いた時は、坊や、一体なにを考えているの? と、炎上大コケを勝手に心配したものだ。
ところがなんということでしょう。聴いてどハマりした。
百恵の声が「意志が強い女性の声」だとすると、祐太朗の声はフラれた後もガンガン長文メールを送る「こじらせ乙女の声」である。
さらにいえば友人に「ねえアンタあの人に遊ばれてるんじゃない?」と心配されても、「でもでも絶対あの人真面目で優しい人だし」と言い張る女の声である!!
これが恋愛木っ端みじん族に沁みまくる。同族の方、聴いて損なし。ともに泣こう。
ところが三浦祐太朗氏、2020年6月12日(金)にご結婚のニュースが。素晴らしいことだが、幸せソングばかり歌うハッピー野郎になってしまわないか心配だ。なにとぞ頼む。お願いします。結婚した後もこじらせハートブレイクソングを歌い続けてください!
●「さよならの向う側」(徳永英明)
聴くと天国にもいけるが、地獄の3丁目あたりまで落ちることもできる徳永英明の「1/fのゆらぎ声」が「さよなら」の向う側にある「静寂」と「無」を感じさせる。
ビールよりワインを相棒にリッスン・トゥ・ザ・ミュージックがオススメ。むちゃくちゃイイ男、いい女になった気分になれるはず。
●「冬の色」(南野陽子)
季節とアイドル歌謡は最高の相性。この曲も初期の百恵ソングの名曲中の名曲なのだが、ナンノのカバーがこれまた超アイドルで良い。「秋からもそばにいて」とセットで聴くと、切なくなりすぎて呼吸困難になるぞ!
思い出いっぱいの世代も、サブスクで初百恵の世代も。
夢先案内人だった彼女のしなやかな歌声に乗って、胸騒ぎの旅に出よう。
乗るのはもちろん、銀河大陸横断鉄道。レッツゴー・百恵トリップ!
Column
田中稲の勝手に再ブーム
80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。
2020.07.09(木)
文=田中 稲