本当の自分は、全然二枚目キャラじゃない!?

――その後、俳優を目指していこうと思った作品はありますか?

『告白』が公開されて、1、2年経ったとき、観返したんですよ。厳しい現場ながらも、こんな素晴らしい作品をやることができたんだから、これからも頑張っていこうと思いました。そのうち(所属するユニット)D2のメンバーと休憩中などに、世間話を話すように、役や演技について話すようになって、それがとても楽しかったんです。そのとき、俳優というお仕事をもっとやっていこうと思いました。

――これまで西井さんが演じられてきた役といえば、『告白』の修哉や今回映画化された「鈴木先生」の岬のように大人びた役。反対に、『ポールダンシングボーイ☆ず』(2011)のユキトや「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」(2011)の千里のようなちょっと乙女が入った元気な役も演じています。どちらが自分に近いと思いますか?

 普段からあまり静かじゃないので、どちらかといえば後者です。『ポールダンシングボーイ☆ず』は自分と同じ名前の役で、背伸びして演じてはいますが、かなり似ていると思います。修哉や岬は、謎の多い二枚目キャラなので…やっぱり違いますね。彼らは女のコとも意識せずにガンガン話せますしね。でも、いろんな作品に出ていて感じるのが、恋バナに関係する役柄が多いということ(照)。今度放送されるドラマ「白虎隊~敗れざる者たち」でも、またそういう展開になるんですが、悲しい話の中で、僕のシーンではほんわかしてもらいたいですね。

――今年は『おおかみこどもの雨と雪』の雨役で、声優にも初挑戦されましたが、いかがでしたか?

 決められた尺のなかで、絵に併せて感情を持っていかなきゃいけないので、難しかったですね。それに口を開くタイミングを気にするとか、吐息を入れなきゃいけないとか、初めてだったので、わからないことばかりでした。宮﨑(あおい)さんや大沢(たかお)さんの掛け合いは勉強になったのですが、お二方は「声だけの演技だということを意識せずに演技できた」と言っていらしたんです。でも、僕はまだまだそこに行きつくことができませんでしたね。今度、もし声優のお仕事があれば、そこを目指したいと思います。

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2012.12.21(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Nanae Suzuki
hair&make-up:fringe