●オタク友達も認めた
初C.V.(キャラクターボイス)

――そして、アニメ映画『君の膵臓をたべたい』では、主人公「僕」役で、初のC.V.を務めます。

 アニメやマンガ、ゲームに対するリスペクトが強く、声優という仕事に携わることができて、めちゃくちゃ嬉しかったです。以前からキャラクターデザインをやられた岡(勇一)さんの作品も好きでしたし、今でも中学から高校生のとき見ていたアニメの主題歌をちょっと聴くだけで、想い出が甦って、感動しちゃうんですよ。「この作品、作ってくれて有難う」って!

 そんな中学時代のオタク友達も映画を観てくれたんですが、手厳しい意見が来るかと思ったら、「良かったよ」って言ってくれて! それも嬉しかった。また、お話をいただけたら、『キミスイ』の反省点も踏まえて、是非やらせていただきたいです。

――2019年秋公開の主演作映画『ギャングース』では窃盗団を率いる主人公・サイケを演じました。

 『キミスイ』のときはあまりに緊張しすぎて、逃げ出そうと思ったぐらいですが、この作品のときは、あまりにキャラの作り方が分からなすぎて、現場から逃げ出したくなりました(笑)。マンガ原作だけでなく、そのもとになったルポルタージュを読んでも、現実に思えないぐらい衝撃的な内容でしたし、分からなさでいえば、『散歩する侵略者』で宇宙人を演じるときのような感覚でした。

 しかも、むちゃくちゃ寒かったし、金庫は重かったし、そんな大変な現場を共に経験したことで、共演した(加藤)諒くんと(渡辺)大知くんは、特別な存在になりました。

2020.01.24(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=山崎惠子