ただただ
「俳優になりたい」

――その後、俳優を志すきっかけは?

 映画やドラマを観てだったり、誰かに憧れて、俳優になりたいと思ったわけではないんです。自分は常に芝居をして生きていく気持ちがあって、何の根拠もなく、勝手に俳優というか、表現者になれると思っていました(笑)。

 親にも親友にも自分が「俳優になりたい」という夢を一度も口にしたことはなく、高校を卒業したタイミングで、東京で俳優になって驚かせようと思っていました(笑)。

――そして、大学進学のために上京されますが、そこでは演劇サークルに入られたのでしょうか?

 そうです。最初の2、3年は大学の演劇サークル以外も、いろんな劇団にお世話になっていて、小劇場の舞台に立っていました。でも、まったく芽が出なかったですね(笑)。

 大学は1年で中退したんですが、芝居は楽しいし、お客さんの反応が直に感じられることもあって、その頃の自分には芽が出ないという発想がまったくなくて、なんとかなると思っていました。要はちょっと常識がないというか、ネジが外れていたんだと思います……(笑)。

2019.12.20(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=山崎惠子