ファンに「なぜ?」と思わせ続ける
浜崎あゆみのサービス精神
『M 愛すべき人がいて』。Mは未練のMかいなと思うほど執着心を感じる目次にいったん腰が引けるものの、無事30分で読了。
友人からブリッコおばはんだのハーレクイーンロマンスの干物だのとあだ名されるほど恋愛観をこじらせている私ですら、「照れくさいわああ!」と悶絶するほどスイートでスリリングなセレブワールドであった。
客観視できないあゆ、居場所がないあゆ、全開。ある意味超正しいあゆワールド!!
しかし、なぜ今。なぜ実名。なぜの嵐は吹いたままである。
「エイベックス・トラーックス……」というCMがガンガン流れていた、90年代の終わりから00年代初期の喧騒というか熱気はすごく描かれていて、確かに映像化すれば面白いとは思うが(そして本当にドラマ化決定)、「M」を聞いても、もうMAX松浦氏の顔しか浮かばないという後遺症はツラ過ぎる。
元カノに大昔の恋物語をあたかも最近の話のように掘り起こされ、しかもむっちゃくちゃエエ男に書かれたMAX松浦氏。心中お察しできないほど、2人の間はややこしそうだ。
嗚呼、いくつになっても男と女のラブゲームはロマンティックが止まらない。
もしかして、浜崎あゆみはもう一度「俺を信じろ」「大丈夫」と言ってもらいたいのかもしれない。
いやいやーどうかなあ、さすがにもうそんなにセンチメンタルでもないかなー。
ドッチラケたと言いつつ、またもやあゆについて考え、一人部屋で盛り上がる私。
くっ、結局好きなんじゃないか! カラオケ行ってきます……。
Column
田中稲の勝手に再ブーム
80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。
2019.09.05(木)
文・撮影=田中 稲
画像=文藝春秋