WOWOWのヒデキ特集で
ウォーミングアップは万全
2019年4月末。私は悩んでいた。ツイッターで新時代の盛り上がりと絡まり合いながらガスガス流れてくる西城秀樹フィルムコンサート開催の情報――。
なにぃッ、東京の豊洲PITで5月14日から17日まで開催!? 大阪に住む私にとっては行きたいが遠い。財布と時間と締め切りが許さない。
ところが「平成」という漢字が「西城」に見え始め、「レイワ」と聞くと「ローラ」と聞こえてきたあたりから、こりゃ重症だと自覚した。
人間行かねばならぬ時がある。ヒーローに会う時、それは今。よっしゃ豊洲PITにピットインしてやろうじゃねえか!
ということで17日の昼の部のチケットを掴んだ私。
さらにグッタイミンなことにWOWOWが16日、『ブロウアップ ヒデキ』『西城秀樹ライブ~バイラモス2000~』、そして映画『傷だらけの勲章』という、5時間半ブチ抜きヒデキ特集をしてくれたのである。
私はこれを勝手にWOWOWが「心のウォーミングアップにどうぞ」と用意してくれたと受け取った。視聴せずにいらりょうか!
クーッ『ブロウアップ ヒデキ』。鉄棒にしがみつき「悲しみのアンジー」を歌うヒデキの問答無用な色気に呼吸が一時停止。さらには客席の熱狂を映したことにより舞台上のヒデキは脚しか映らないというシーンに「上! もっとうえッ!」と絶叫し。
カーッ『西城秀樹ライブ~バイラモス2000~』。「愛の十字架」「サンタマリアの祈り」の聖なる歌声にリビングで膝をつき祈り始め。
ヒーッ『傷だらけの勲章』のハードな展開に直面する若手刑事ヒデキの奔走にピーナツ一袋を消費し。
そんな私の一人どんちゃん騒ぎを見ていた老母の憐れみの視線と「アンタはいつ落ち着くの」という一言が痛かったが、秀樹愛は120%充電に成功。
よし、エンジンは存分に温まった。行くぜ豊洲。待っててヒデキ!
2019.06.10(月)
文・撮影=田中 稲