俳優デビュー後の
戸惑いと危機感
――実際にグランプリを受賞されたときの心境は?
応援してくださるファンの方が予選を勝ち抜くごとに増えていくことで、「いい報告をしたい」と思い、グランプリを目指す心境に変わっていったんですが、グランプリを獲ったときはビックリしました。
ただ、予選を勝ち抜いてくうちに、「もしグランプリを獲ったら、芸能界でチャレンジしてみたい」という気持ちにもなっていきました。
――そして、同じジュノンボーイ出身の溝端淳平さんらが所属する事務所エヴァーグリーン・エンタテイメントに入り、17年「ぼくは麻理のなか」で連ドラ初出演を果たします。
僕は緊張しやすい性格だし、自分に自信があるタイプではないので、その頃は本当に怖いという思いが強くて、どうしていいのか、常に戸惑っていました。
そのため、現場の片隅で泣くこともありました。今でも、それを打破できたわけではないのですが、「仮面ライダージオウ」の1年間を経たことで、少しだけ変わることができたと思います。
――その後、『一礼して、キス』『サムライせんせい』などの作品で、映画の現場も体験されます。
ドラマと映画の現場の違いもよく分からず、緊張する中、探り探りやっていたと思います。
ただ、『サムライせんせい』以降、1年近くオーディションに落ちてばかりで、ほとんど仕事がなかったんです。どこかで危機感を感じていたし、社長から怒られることもあって。
ただ、「何かを変えなきゃいけない」と思いながらも、それが分からなかったんです。
2019.08.09(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘