必要なことを学んだ
「仮面ライダージオウ」の1年

――その後、「仮面ライダージオウ」のオーディションで、明光院ゲイツ/仮面ライダーゲイツという大役を手にします。ご自身で「昔ながらの日本男児」と語る硬派なキャラだけに、髪型などイメチェンされましたよね。

 髪型に関しては、少し長かったことを社長に指摘されて、「それぐらいじゃ変わらないんじゃないかな?」と、半信半疑ながら意を決して切ったんです。

 それで挑んだ「ジオウ」のオーディションだったんですが、そんな“昭和の父親”のような社長のおかげで、ゲイツの硬派なキャラができたのかもしれません。

 社長には感謝していますし、社長のように男らしい真っすぐな人になりたいと思っています。

――共演者であるソウゴ役の奥野壮さんは、3歳年下ですが、彼との信頼関係は、どのように築かれていったのでしょうか?

 3歳年下でも、思考が完全に大人な彼には心から感謝しています。

 僕に合わせてもらったところも多いと思いますが、2人でタッグを組んで、1年間同じ作品をやっていくうえで、お互いを知ることから始めました。

 だから、撮影インして1週間たたないうちにご飯やカラオケに行きましたし、日常生活でもコミュニケーションを取れる機会をできるだけ作りました。

――「ジオウ」の1年間で学んだことは?

 ゲイツはキャラ的にも、セリフが堅いイメージがあるんですが、生瀬勝久さんから「キャラの枠だけやっていたら面白くならないよ」と言われたことで、新たな芝居のアプローチを知りました。

 芝居に関してもそうですが、一社会人としての人間関係や、これから役者人生を歩んでいくにあたって心掛けることなど、いろいろ学ばせてもらった1年間だったと思います。

2019.08.09(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘