刹那的な性格のキャラクターを演じる
――爽やかな好青年役が多かったり、2年連続で“理想の新社会人”の1位に選ばれていたりする溝端さんだけに、そういった男気キャラが好きというのは意外かもしれませんね。
全然、好青年じゃないですから。もともと昔から知っている人は、そういう人間だと思っていますよ。周りの人に感謝と敬意を払いながらも、地元ではやんちゃでしたし。だから、“理想の新社会人”に選ばれたときはブーイングでしたよ(笑)。でも、これまで息苦しかったと思ったことはまったくないですし、全部含めて僕なんです。この世界に入って、いろんな人からいろんな意見をいただいて、後から自分ってこんなキャラクターだったんだと気づかされているような気がするんです。
――今回演じられた春樹は、リストカットもする刹那的な性格で、ギャンブル依存症。明らかに、これまでにない役柄でしたね?
リストカットをするような人は周りにいませんし、自分ももちろんしたことがない。だから、まず自分がこの役を理解できるというか、共感できる部分を見つけようと思いました。「リストカットするって、どんな気持ちなんだろう」ということから始めて、本を読んだりしました。あとは世の中に対し、恨みを持っている役なので、他人の見方を若干違う角度から見てみるとか、マイナスにネガティブに捉えてみるとか……。僕はオープンな性格なので、そういう意味では、今回の役作りは大変だったかもしれません。
2012.10.19(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Nanae Suzuki
styling:Norihito Katsumi(Koa Hole inc.)