バラエティ司会は癒しの場

――話は前後しますが、デビュー直後に抜擢された「世界ウルルン滞在記“ルネサンス”」のほか、5年目に突入した「誰だって波瀾爆笑」など、バラエティの司会もされています。これは、今活躍している若手俳優の中では珍しいことだと思うのですが……。

 僕が無名だったときにスタッフさんが起用してくれたお仕事なので、とても光栄なことですね。ただ、みんなから「頑張ってるよね」みたいなことを言われるんですけど、よく分からないまま始めて……今もよく分からないまま続いている感じなんです(笑)。なぜなら、僕が司会でやっていることって、ゲストの方のお話を聞いて思ったことを言うだけで、一観客と同じですから。僕にとっての癒しの場。司会者の立場として、「話を広げなきゃ」とか「いっぱい喋らなきゃ」とかいう気持ちはなくて……。もともと、こういう性格なんで、自分が喋らないとしんどいだけなんです。

――最新出演作となる『黄金を抱いて翔べ』の井筒和幸監督のファンだったと聞いていますが、それは『パッチギ!』など井筒作品のファンだったということですか?

 そうですね。でも、僕は『パッチギ!』よりも、『岸和田少年愚連隊』が好きなんです。中学生ぐらいのときに、深夜に再放送されていたのを初めて見たんですけど、大阪の泥臭い世界観がリアルだったんです。何が起こるわけでもないんだけど、それが当事者にとっては大きい出来事だったり、きれいにまとまってない感じだったり、とにかく好きなんですよ!

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2012.10.19(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Nanae Suzuki
styling:Norihito Katsumi(Koa Hole inc.)