メインは高級素材を惜しみなく!
〆は「待ってました!」なあの逸品

 うやうやしくそれはやってきた。

 メインのひとつ、フカヒレが湯気を立ててやってきた。気仙沼産フカヒレの醤油煮込みだ。オレンジ白菜とともにやわらかく炊かれている。

 再び箸休め。セミドライの野菜数種を、ハクサイとキャベツの種間雑種であるハクランとともに炒めた逸品。

 仙台牛は、パセリを混ぜた塩釜で蒸し焼きに。ロゼ色に火が入った肉と、添えられたグリーンのコントラストが麗しい。

 再びのメインは、3キロサイズの大きな鯛の清蒸!

 このあとの回鍋肉に使用する豚肉をお披露目。

 なんと、北海道・帯広産のマンガリッツァ豚を使っているのだという。マンガリッツァといえば、ハンガリーの国宝に認定された希少な豚。北海道で生産されているとは!

 回鍋肉といえば甜麺醤で味付けするのが当たり前と思っていたが「使っておりません」ときっぱり。

「豚肉の持つ脂の甘みで充分。いい食材、新鮮なものを使えば、同じ技法でなくともおいしいものが出せるんです」

 〆は白子の麻婆。渋谷の店で初めて口にした時の衝撃が蘇る。辛さだけではない奥行きのある深い味わい。

 甜品は、杏仁豆腐ツバメの巣添え、アイスクリームに黒酢と山椒を煮詰めたソース、甘辛く煎ったカシューナッツの3点。

 この1年、中華鍋を振りたくてたまらなかったという菰田シェフ。

 「50歳になる直前に、この店を開けられて幸せ。60になるまでのこれから10年、中国料理をより慈しみながら作っていきたい」と熱く語る。

 その気合いに応えてすぐ次の予約を取ろうとしたが、12月分はすでにいっぱいだった。それは至極当然だ。誰もが彼の復活を待ち望んでいたのだから。

4000 Chinese Restaurant
(ヨンセン チャイニーズレストラン)

所在地 東京都港区南青山7-10-10 パークアクシス南青山7丁目
電話番号 03-6427-9594
(予約はウェブ予約システム「OMAKASE」で https://www.omakase-japan.jp/stores/04000)
営業時間 ランチ 12:00~、ディナー 18:30~
定休日 毎月変動制 1月は14、21、22、28日、2月は月・木曜、3月は火・水曜(変更する場合あり)
予算 10,000円~
[2018年12月訪問]
https://minamiaoyama4000.jp/

Keiko Spice(けいこ すぱいす)

東京都生まれ。得意なディスティネーションはハワイと香港。普段は3日に1回のペースで焼肉を中心とした食生活。別名「肉の妖精」。

Column

新店来訪! 美味しい出合いに一番乗り

ニューオープン、シェフやメニューが変わった店、面白い企画を立ち上げた店……などなど、なにかと「新しい」店を一番乗りで紹介するページ。「美味しい出合い」にご注目ください!

2019.01.17(木)
文=Keiko Spice
写真=Ukyo Okada, 4000 Chinese Restaurant(一部画像提供)