夜から始まる新スタイル飲茶で乾杯!

 本場である広東省や香港、マカオにおいてそもそも飲茶とは、朝から昼にお茶とともに点心を楽しむこと。しかしここ最近は、24時間提供する店や、22時過ぎから楽しめる「夜茶」を行なう人気店もあったりして、様子が変わってきています。

 そんななか、2016年9月1日、西麻布の広東料理店「真不同」が恵比寿に点心専門店をオープン。営業は夜のみというニューウェーブスタイルです。

 JR恵比寿駅西口を出て2分ぐらいと駅チカなのに、場所がいまひとつわかりにくいのは、ビルの6階だから? カウンター席のほか、2~8名まで対応できるテーブル席、10名は座れそうな大テーブルもあるから、おひとりさまからパーティまで、あれこれ使い勝手がよさそう。

エレーベータを下りると広がるのは、なかなかこじゃれた空間。

 「本場の点心を酒のつまみにし、おのおのが好きな酒を呑みながら語り合う! そこはバルでもない、居酒屋でもない、そこは倶楽部なのであります」と語るのは、オーナーの野本さん。

 それでは、倶楽部式(!)で、乾杯と行きましょうか。

まずはゴールデン青島で!

 自慢の点心をいただきます。まずは、基本中の基本である海老餃子(570円)。皮の部分が難しく、日本ではなかなかこれといったお店に出合えない一品。おおっ、これはイケますよ。

中の海老も下味がしっかり施されているので、本場同様、醤油をつけないでいただきましょう。

 シグネチャーの逸品が運ばれてきました。その名も頂湯焼売(540円)。ガブッとかぶりつくと、予期せぬ事態が! なんと、中からスープが勢いよく飛び出してくるではありませんかっ!

 「あっ、一口で食べてくださいって言うのを忘れていました!」ええっ。

 小龍籠のように、焼売の中にスープが潜んでいます。金華ハムからとったスープだそう、うわっ、もったいないことをした!ということで2個目は指導に従い一口で。ああ~、口中に広がるうまみがたまりません。

頂湯焼売は、6個で1,000円のおみやげセットもあり(冷凍でのお渡しも可能)。

 日本人が大好きな、大根もち(500円)や焼餃子(540円)もあります。

肉感ハンパない餃子のなかにはシャキシャキのクワイが。どちらもお酒が進むおいしさ!

 ドリンクメニューを見ると、ビールはもちろん、サワー、焼酎、ハイボール、日本酒、中国酒、そしてワインもお手頃価格で用意されているじゃありませんか。倶楽部活動は、ますます盛んになってしまいます。

 点心の前にちょっとつまみたい前菜も用意されているので、「焼売や餃子だけじゃなぁ」という人にもうれしい。たとえば、蒸し鶏の葱生姜ソース(680円)は、ふっくら蒸し上がった鶏とソースがベストマッチ。ピータン(480円)は台湾産のものを使用。

ピータンのタレなど、ソースはすべて自家製。しかも、同じタレの使いまわしといったことがない。

 福岡の契約農家直送の旬の野菜を炒めたものや。蒸籠で蒸したものも、ゆくゆくは出していくそう。「野菜スティックをXO醤で、なんてことも考えています」と、オーナー。

 さらに、本場の飲茶を食べてきた達人たちをもうならすメニューが!

2016.10.03(月)
文・撮影=Keiko Spice