まずは隠れ家のドアを
開けるところから

「あの店行った?」

 周りのうまいもの好きが、ことごとく噂をしている店がある。2017年4月10日にオープンしたばかりというのに、すでにリピーター続出なのだとか。

 場所は神楽坂。目抜き通りに面してはいるが、なかなかわからない場所にある。階段を上がって、ビルの3階に到着。マンションの一室のようだ。ドアには「〆にカレーあります」の文字。謎すぎる……。こういう店、はっきりいって大好きだ。

勇気を出してドアを開けてみよう。

 ドア一枚で世界は一変する。なかは、驚くほどスタイリッシュ。神楽坂というよりは、代官山の雰囲気。テーブル11席、カウンター8席のこぢんまり感もいい。

 まずは、看板メニューのジュウバーの肉団子(680円)から。ソースは、魚香にフレッシュトマトのペーストを合わせたもので、よくある甘酢とは別格。しっかりと歯ごたえのあるミンチ肉は、噛むと山椒の香りがふわりと漂う。うまい。もう、この時点で次の皿が待ち遠しい。

「甘酢は苦手やねん」という男性もこれならOKだろう。

 有名中国料理店で腕を磨いてきたシェフ。スタッフたちと上海、成都、香港、台湾などを食べ歩き、メニューを練ったという。店名のjiubar(ジュウバー)は、中国語でバーをあらわす酒吧(ジュウバ)から。

 バーだもの、お酒はもちろん充実。なかでも注目なのが、自家製シロップを使ったカクテル。レモンサワー、チャイナガール、ジンジャーソーダ、シトラスソーダ、パクチーモヒート(各680円)を用意しており、ライトなアルコールが流行っている最近の傾向にもマッチ。

ジンジャーソーダ、シトラスソーダ、パクチーモヒート。料理とのマリアージュもばっちり。

 SOUZAIサラダ(1,280円)。

 小松菜とサニーレタスを中心に、チャーシュー、生椎茸の素揚げ、トマトの紹興酒漬け、ズッキーニのXO醤、搾菜の白和え、クリームチーズなど、盛りだくさん。キャロットラペはラー油で仕上げてあって、しっかり中華している。

これひと皿でかなり楽しめるが、なかでも「おっ」と思ったのがチャーシュー。

 テクスチャーに驚いたのが、もちもち大根餅(680円)。その名に恥じぬモチモチ感!

豆板醤をほんの少しつけて。粉もの好きにはたまらない。

 ゴマたっぷり ゆでワンタン(580円)。

 ジューシーな肉をたっぷりと包み込んだワンタンに、肉食女子は歓喜! ソースの黒い部分は黒酢かと思いきや、甜醤油。八角、大蒜、唐辛子を使い、四川の香りがつまったひと品となっている。

ゴマと甘みのあるソースが肉のうまさを引き出す。

 さあ、前菜はこのくらいにして、メインディッシュへと進めよう。

2017.06.05(月)
文・撮影=Keiko Spice