映画を知れば知るほど見える
ハリウッド大作の面白さ
――そんななか、ご自身のなかで転機となった1本を教えてください。
『ターミネーター』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などを経て、小5のときに今はTOHOシネマズになった大阪の北野劇場で『地獄の黙示録 特別完全版』を観たんです。そのとき、「こういう映画もあるんだ!」と気付かされて、さらに視野が広がりました。その後、ミニシアター系の映画も観ることで「映画って、こっちなのかも?」と触発されるようになり、それによってハリウッド大作の面白さや見え方を再確認し、最終的にはハリウッドに戻ってくるんですよ。
――二宮監督といえば、音楽、特にポップ、ダンスミュージックの使用センスも絶妙ですが、音楽に対する造詣の深さはどのようなところから?
映画を観ると映画音楽を聴きたくなるのは当然で、いちばん最初に買ったCDは、ジョン・ウィリアムズのベスト盤でした。でも、音楽に関しては、父と姉の影響が大きくて、いろんなジャンルの音楽をひと通り聴いていきましたね。
――その後、08年の「第3回高校生映画コンクール 映画甲子園2008」で監督賞を受賞し、近年さまざまな映画監督を輩出している大阪芸術大学に進学。その後も、次々と作品を撮られますよね。
ホントは日芸(日本大学芸術学部)、欲をいえばUSC(南カリフォルニア大学)に行きたかったんですが、いろいろあって行けなかった。でも、大学に入ってからは、映画ばかり撮っていましたね。いろいろ作りたいものはあるし、作らないと暇なんです(笑)。一本一本のクオリティはそこまで気にしてなかったと思うんですが、中学生のときから数えて、気付けば短編、長編合わせて、卒業までに40本は撮っていました。
2019.01.11(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘