芸能界はそんなに甘くない、と思ったとき

――その後、コミック原作をドラマ化した「新撰組 PEACE MAKER」に出演するわけですが、特に演技経験がなかっただけに大変だったのでは?

 袴を着たことがなかったので衣装合わせから楽しかったですし、髪の毛をメッシュで染めたりするのも新鮮だったり、どこかミーハーなところがありましたね。でも、やはり演技の基礎も何もないわけですし、ドラマの現場自体初めてですから、ホント緊張してNGばっかりでした。監督にもよく怒られましたね。他の出演者のことを「カメラを向けられて、ちゃんと演技できるなんてみなさんスゴいな」と感心しては、「それに比べて自分は……」と反省する日々でした。

――その後、ドラマや映画に出演されるなか、自分の仕事に対する考え方を変えることになった作品はありますか?

「天使のわけまえ」というNHKのドラマに出させてもらったんですが、そこで初めて泣くシーンがあったり、気持ちの変化を出す芝居が多かったりして、ここでも監督によく怒られたんです。そのときに、芸能界ってそんなに甘くないんだな、と思ったんです。その反面、でも負けたくない、という気持ちも出てきたんですが。あのときの気持ちは今も大切にしています。

――「ハンマーセッション!」「高校生レストラン」など、学園ドラマへの出演が多いと思いますが、同世代のライバルが多い環境で、どう自分をアピールしていくか、ということは考えていますか?

 僕はそういうことは考えていないですね。ライバル視するというより仲間意識が強くて、この作品をどうやっていいものにしていくかということを考えている気がします。むしろ、この現場をみんなで楽しんでいけば、結果もついてくるんじゃないか、と思っていますね。

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2012.07.02(月)
text:Hibiki Kurei
photographs:Tatsuo Harada
styling:kyu(Yolken)
hair&make-up:Akihiro Ohnami