複雑な味覚を味わう
それこそがアッサムラクサの神髄

 さて、アッサムラクサは、スープだけではなく、上にのっているトッピングも独特。シャキシャキの野菜に、香り高いミント、そして大事なのがパイナップル。この甘酸っぱさがスープの辛みをやわらげます。辛み、酸み、甘み、そして香りに食感と、まさに五感を刺激する麺なのです。

ミョウガのような香りのするピンク色のハーブも個性的。ちなみに、輪切りの唐辛子がどさっとのっているので、辛いのが苦手な人は先に取り除くべし。食べるときは全部混ぜてどうぞ。
麺は、ぷるんとした歯ごたえの中太の米麺。つるっとさっぱり食べられる。

 最後にもうひとつ、注目ポイントはレンゲの上の黒いソース。

発酵させた海老から作る海鮮ソース「オタ・ウダン(中国語ではヘーコー)」。スープに混ぜるとコクがグッと増す。味が濃いので、どれぐらいの量を混ぜるかはお好みで。

 このオタ・ウダン、じつは強烈な匂いをはなっていて、私でさえも、アッサムラクサ初心者のころはドギマギでした。でも、これをスープに混ぜると、驚くほどおいしくなるんです。ま、とにかく、まずはどうぞお試しを。

オーナーシェフ、ロバートさん。25歳から料理一筋。「築地に仕入れにいくときは、朝3時に家を出る。自転車で築地に向かえば、朝4時には着くからね」とロバートさん。

 現地では圧倒的な人気を誇る「アッサムラクサ」ですが、日本ではなかなか食べられない幻の麺。この貴重な味をぜひ、味わってみてください。

Penang Restaurant(ペナンレストラン)
所在地 東京都港区芝2-4-16 加藤ビル1F
電話番号 03-3456-3239
営業時間 11:00~14:00、17:00~23:00
定休日 日曜
アクセス JR浜松町駅南口より徒歩8分、都営三田線芝公園駅A1出口より徒歩4分、都営浅草線大門駅A3出口より徒歩10分
https://www.penang-restaurant.com/

マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編、『ナシレマッ!』(Malaysia Gohan kai)を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://malaysianfood.org/

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2018.05.01(火)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)