【WOMAN】
思春期の少年少女たちは
誰かの欲望に欲望する

 最後にすべてが丸く収まる結末、を意味する「大団円」。新鋭女性マンガ家がオールカラーで発表したデビュー作『どうにかなりそう』は、その言葉がぴったりよく似合う。

 セーラー服と学ランが制服の東灘高校を舞台に、カップルのドラマが並行して進む。自分のスカートの中を見てほしいと男の子に頼む、女の子。野球部のエースと、彼に片思いする美術部員の女の子。国語教師と彼に憧れる女の子、彼女に恋する親友の女の子。地味なクラスメイトの女の子と、彼女をモデルに指名して絵を描く男の子。野球部のエースと付き合う、マネージャーの女の子……。ページをめくるたびに、青い性の匂いが放たれる。

 最終話の舞台となった文化祭で、全員が集結する。誰かの欲望が他の誰かの欲望をかすかに刺激し、ドミノ倒しの先に現れる最後の1ページが……もう!! 相当ぶん投げているのに、これしかない、これ以上ない着地感。一生忘れられなくなります。

『どうにかなりそう』(全1巻) 岡藤真依

 「序章」ではキャラクターたちをサイレントでお披露目。本篇は「放課後」「届かぬ思い」「フレンズ」「文学少女」「エース」「キス」「罪と罰」「DIVE」「モチーフ」「文化祭」の全10話構成。著者はイラストレーターとしても活躍中で、本作が初の本格マンガ連載。
イースト・プレス 1,199円

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Column

男と女のマンガ道

男と女の間には、深くて暗い川のごとき断絶が横たわる。その距離を埋めるための最高のツールが、実はマンガ。話題のマンガを読んで、互いを理解しよう!

2018.03.27(火)
文=吉田大助

CREA 2018年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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定価780円

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