どんどん演技の枠を広げていきたい
――結果、共演者のみなさんと仲良くなることはできましたか?
スタッフの方からビデオカメラを預かって、現場や楽屋の様子をレポートする大役を任されていたので、それを使うことで、早い段階からみなさんとの距離を縮めることができました。僕には姉しかいないので、「お兄ちゃんって、こういうものなんだ」と分かった気がしましたし、男同士だからこその会話もできて、楽しかったです。クライマックスのトンネルでの撮影では、真夏なのにマイナス10℃という過酷な状況で、アクションするのが大変でしたが、お兄ちゃんたちに励まされながら、頑張ることができました。撮影が進んでいくにつれて、ずっと続けば良いのにという気持ちが強くなりました。
――この映画に出演したことで、どんなところが勉強になりましたか?
ここまで男だらけで、大人だらけの現場は初めてだったので、撮影現場でのふるまい方がとても勉強になりました。中学生になって初めての大きなお仕事で、自分で動くことも多かったですし、小学生のときは現場で走り回ったりするような悪ガキでしたが、本番前にほかの方が集中されているようなときは、決して邪魔をしちゃいけないということも学びました。
――今後、どのような俳優になりたいかなど、将来の目標を聞かせてください。
もちろん、ライダーのオーディションには挑戦したいです。でも、自分にできないことがあると悔しい性格なので、どんどん自分の中の演技の枠を広げていって、やったことのない役がない俳優になりたいです。あと、激しいアクションをされている岡田さんや福士さんと共演させていただいたこともあるので、自分を磨くうえでも、早く本格的にアクションに挑戦したいです。
若山耀人(わかやま・きらと)
2003年8月13日生まれ。岐阜県出身。12年、ドラマ「悪夢ちゃん」で俳優デビュー。14年、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」に主人公の幼少期・万吉役で出演。その後も主人公の嫡男・松寿丸役で再び登場し、話題になる。主な出演作に、主演映画『ぼくが命をいただいた3日間』、NHKBSプレミアム「幕末グルメ ブシメシ!2」など。
『曇天に笑う』
明治維新後の滋賀県・大津。300年に一度よみがえり、人間に災いをもたらすというオロチ(大蛇)が復活する年。曇神社を継ぐ曇家の長男・曇天火(福士蒼汰)、次男・空丸(中山優馬)、三男・宙太郎(若山耀人)の曇三兄弟は、オロチを封じるため立ち上がる。
http://donten-movie.jp/
(C)2018「曇天に笑う」製作委員会、(C)唐々煙/マッグガーデン
3月21日より全国公開。
くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2018.03.09(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖