「軍師官兵衛」の幼少期役で注目

――13年にはドラマ「仮面ライダーウィザード」で、ビースト(仁藤攻介)の少年時代を演じることになりますが、そのときの心境は?

 「もうやるしかない!」と、一日中セリフを覚える時間にあてるぐらい、それまでの3倍、4倍の気合いを入れました。ビーストの変身ベルトも買って、完全になりきってから、オーディションに臨んだんです。合格した後の打ち合わせでは、ライダーのスーツや武器が置いてある撮影所に行ったり、現場でも撮影を見せてもらったり、夢がひとつ叶ったような気持ちでした。

――14年、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で岡田准一さんが演じた主人公の幼少期・万吉役で出演されます。300人ほどの候補者から2カ月程度の長期オーディションによって選ばれたそうですね。

 3次、4次の次に、2人だけで最終オーディションがありましたが、とても緊迫した空気でした。僕の中ではターニングポイントとなるお仕事になると思っていたので、最初は岡田さんのお芝居を意識して取り組もうと思っていました。でも、あまり意識しすぎると失敗してしまう怖さもあったので、できるだけ自分らしく演じさせていただきました。

――その後、松坂桃李さんが演じられた黒田長政の幼少期・松寿丸(しょうじゅまる)役で再び登場されたほか、ドラマ「地獄先生ぬ~べ~」でも丸山隆平さん演じる主人公の幼少期を演じられます。“幼少期”を演じるうえで、心がけていることはありますか?

 「軍師官兵衛」ではあの年齢で、自分の息子役でもう一度出演するという貴重な体験をさせてもらいました。大河ドラマの歴史のなかでも、加藤清史郎さん、芦田愛菜さんに続いて3人目だったそうです。“幼少期”役のオーディションでは、できるだけマネをしないよう心がけています。素の自分で演じた方が、受かったときに嬉しさが倍増する気がしています。

2018.03.09(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖