◆GINZA STEAK A5 DAIGO(銀座)
手間暇かけた前菜に
まずはノックアウト
ステーキが5,800円で食べ放題? しかも銀座で? そんなのありえない! この目で(この胃袋で?)確認せねばなるまい! と勇んで向かったのは銀座8丁目にある「GINZA STEAK A5 DAIGO」。立地的にはほぼ新橋。「維新號」の向かいといえば、土地勘のある人はわかるだろう。
エレベーターのドアが開く。予想以上にすてきではないか。……えっ、鉄板? 店間違えたかなと心配しながら予約名を告げる。「お待ちしておりました。こちらでございます」。間違いではなかったらしい。
はっ、もしかして5,800円というのが誤情報!? と疑いたくなるようなゴージャス空間だ。窓から見えるのはJRの線路。鉄道オタクにはたまらないだろう。さらに、視線の先には国会議事堂が! 眼下の道は、出世街道とも呼ばれるらしい。なんだかとてもありがたい気分になってきた。
それでは、A5赤身肉ステーキコースを始めていただこう。「ステーキの前に何品か前菜を提供させていただきます」。こ、これは、適当なサラダなどでお腹を膨らませ、ステーキを食べさせない作戦か! と身構えたところでやってきたのが、おしゃれな一品。
左は和牛タルタルの酢ゼリー。ふたをあけるとフワッとスモークのいい香り。右はコンビーフのクロケット。
これはお酒がすすむなぁ。さて、何を合わせようか。「プレミアム日本酒の飲み放題が3,000円で付けられます。お得ですよ」。イケメンのマネジャーにそう言われたら断るすべはない。いただきましょう。
続いて、ひと口ハンバーグ。椎茸やマッシュルームなどを煮込んだデミグラスソースが絶妙。赤ワインをグラスでいただきます。
鎌倉野菜と和牛のポトフ クリームマスタード和えがやってきた。1週間塩漬けした牛肉を、6時間蒸し上げたもの。箸を入れるとホロリと崩れる。逆に野菜はシャキシャキとした歯ごたえを残してあり、両者のコントラストが見事だ。スープには一切塩をしていない。肉と野菜から出たうまみだけでこんなにも深い味わいになるとは。感心しすぎて、写真を撮るのを忘れてしまった……。
冒頭で「適当なサラダで」などと失礼な考えを巡らしたこと、ごめんなさい。深く反省せざるを得ないほど手間暇かかったものばかり出てくるではないか。なかでも出色だったのが和牛のラザニア。
2018.02.05(月)
文・撮影=Keiko Spice