芸人たちのアドリブが続出した、主演最新作
――10年『ゼブラーマン‐ゼブラシティの逆襲‐』以降、昨年の『スマグラー おまえの未来を運べ』『ワイルド7』など、悪役やワイルドな役柄が増えましたが、それは美作あきらのイメージから脱することを意識してのことでしょうか。
確かに「花男」以降、美作あきらと言われることが多かったので、そのイメージで見てほしくないと、最初は意識していました。でも、だんだん、それを気にすることは意味がないと思えるようになりました。ほかにも自分がやらなきゃいけないことや、考えなきゃいけないことがいっぱいあるだろうって。
だから、ここ1、2年ぐらいは意識していないですし、役について、落ち着いて考えられるようになれた気がします。
――さて、主演最新作『ゴーストライターホテル』ですが、コミカルな演技はいかがでしたか?
周りのキャラクターがあまりに濃いこともあって、役作りというよりも、現場でなるべく目立たない芝居をした方がいいのかな、と思ったんです(笑)。ケンコバ(ケンドーコバヤシ)さんたち、共演した芸人のみなさんはどんどんアドリブを入れてくるので、なるべく自然体で返すというか……、映画を見ていただければ分かると思うんですけれど、普通に笑っちゃっているシーンが使われているんです(笑)。
どんな作品でも緊張感があるんですが、この現場ではあまりなかったといえますね(笑)。
――主演作ということに関してのプレッシャーみたいなものはありましたか?
僕は役が大きい、小さいって関係ないと思うんです。どんな役でもプレッシャーはあります。
あと、アドリブを生かす芝居というか、アドリブに対応する自然なリアクションはどんどん取り入れてもいいかなと、この現場を通して思えるようになりました。
2012.03.11(日)
text:Hibiki Kurei
photos:Miki Fukano