思春期の恥ずかしさと
戦った『中学生円山』
――それが、宮藤さんが監督した映画『中学生円山』で主人公を演じるきっかけになったのかもしれませんね。
オーディションではあったんですが、宮藤さんが僕をイメージして脚本を書いてくださったという話を聞いたときは嬉しかったです。ただ『円山』ではお尻を出したり、裸になるシーンが多かったんです。「11人もいる!」のときは恥じらいもなく、何でもできたんですけれど、中2から中3にかけての1年は大きくて、恥じらいだったり、カッコつけたい自分が出てきてしまったんです。芝居もどこかカッコつけていたので、宮藤さんから「芝居しようとしないで!」と何度も怒られました。
――そこに関しては、どうやって克服したんでしょうか?
宮藤さんが「よーい、スタート!」と声をかける直前、「股間触って!」と言ってくださったんです。股間を触ることによって、恥じらいがなくなるおまじないみたいなものだと思うんですが、それをすることで、驚くぐらいに慣れて、途中からは逆に服を着ることが恥ずかしくなったぐらいです(笑)。
――ちなみに、『中学生円山』に出たことで周りの反応は?
そういう役だったので、「イジられそうで、ヤバいな」と思っていたんですが、同級生は映画を観てくれて、主人公をやったことを称賛してくれたり、SNSで「観てね!」って拡散してくれたり、応援してくれたりしたんです。今でも『円山』を観てオファーしてくださる方もいらっしゃいますし、いろんな方に認知されるようになって嬉しかったです。
2017.03.03(金)
文=くれい響
撮影=細田 忠