時おり通る屋形船、そびえるスカイツリー
総料理長をつとめた恵比寿シャトーレストラン「ジョエル・ロブション」で、9年連続して3ツ星を獲得。日仏ともに認める、まさにフレンチ界のトップシェフが渡辺雄一郎さん。
昨年秋に「ジョエル・ロブション」を勇退されたあと、いつ新しいお店を出すのだろう、次は何をしてくれるのだろうと、みんながうずうずして待っていました。
そしてついに2016年7月7日、浅草駒形に「ナベノイズム」という名のフレンチをオープンさせるとの情報が。
なぜ浅草? ちょっと変わった店名から想像すると、ストレートなフレンチとも違うの? コース2万というからには高級店です。ついに下町にグランメゾンの誕生か!?
いろいろ想像を巡らせて、浅草駅から、屋形船の宿あり、麦とろの名店ありという隅田川沿いを歩きました。そしてついに、小さく光る店を発見!
ちょうどシェフがオープン前に店の前をチェックしているところで、「どうぞどうぞ」とドアを開けて、中へと案内してくれました。というわけで、エントランスの写真は撮れず(笑)。
テーマカラーは元気が出そうなオレンジ色です。
店に入ると正面が厨房で、誰もがまずここを目にすることになります。特別に入れてもらうと、オレンジ色のキッチンタイマーなど、ここにもテーマカラーがアクセントとして使われていて可愛い。
シェフの足元を見れば、オレンジ色のニューバランスのスニーカー。あっ、ナベノイズムの「N」マークだ!
店の造りが素敵です。一階は厨房のみで、メインダイニングは2階と3階。2階には、隅田川に飛び出したテラス席があり、3階には窓に向かってカウンター席が。
ここに座ると、正面には川、眼下には2階のテラス席が見えます。そして4階もあります。ここにはテーブルは置いていませんが、広めのテラスになっていて、出てみると想像以上にいい眺め。
時おり通る屋形船、そびえるスカイツリー。うっとり風に吹かれていると、「セーヌ川とエッフェル塔ですよ」とすかさずシェフの一言が。なるほど……。シェフは昔から水辺と縁があるそうで、この場所が気に入った理由の一つでもあるそうです。
2016.08.15(月)
文・撮影=浅妻千映子