スペインの食文化を伝える邸宅レストランが新しい試みをスタート

1927年(昭和2年)に建てられた洋館。

 ミシュラン1ツ星のモダンスパニッシュ・レストラン、小笠原伯爵邸。ここは「小笠原流」として知られている礼法の宗家、小笠原伯爵が暮らしていたスパニッシュ洋式の一軒家。日ごと紳士淑女が集う優雅なこのレストランに併設されていたカフェが、2016年4月28日(木)に缶詰をメインとして提供する“缶詰バル”「OGA BAR(オガバル) by 小笠原伯爵邸」としてリニューアルオープンした。

 ヨーロッパの西端、イベリア半島に位置するスペインは、山海の幸が豊かな食材の宝庫でもある。スペインでは、この豊かな食材の旬のおいしさをベストな状態で閉じ込めたものが缶詰であり、保存食としての缶詰とは一線を画する。有名レストランがメニューのひとつとして扱うほど、レベルの高い料理のひとつなのだ。

 この度誕生した、小笠原伯爵邸の缶詰バルで提供されるのは、数あるハイクオリティな缶詰のなかでもシェフ自らが選んだ約20種類。どれも収穫場所や収穫時期にまでこだわり、化学調味料や保存料、着色料なども無添加でつくられたのものを厳選している。

缶詰棚から好きな缶詰を選ぶことができる。自家製のオイルやソースもテーブルに用意され、“ちょい足し”感覚で自分好みの味にできるのが楽しい。

 特に注目したいのが魚介類の缶詰。取り揃えるのはスペイン近海で獲れた魚介を、ハンドメイドで丁寧に製造するなど、稀少価値の高いものだけ。丸々ふっくらとしたサーディンや、日本の市場には流通していないベルベレッチョ(ザル貝)など、スペイン最上の海の幸を味わえる。ドリンクはスペイン産ワインやシェリーを中心に提供。スペインのバルではお馴染みのベルモットなどのカクテルもあり、軽く飲みながら極上の缶詰を楽しみたい。

 缶詰のほかにも、グラナダ産の天日干しイチジク、マラガ産の枝つき干しブドウなど、おつまみも充実。オープン記念の限定「自家製・樹齢500年のオリーブの実」(500円)もぜひ味わってみたい一皿だ。これはガーデンにある樹齢500年のオリーブの木から獲れた実を使った自家製のオリーブ漬け。フレッシュでみずみずしい味わいは、なくなり次第終了なので、早めに駆けつけるのがおすすめ。

小笠原伯爵邸のシンボルツリーでもある、樹齢500年のオリーブの木。

 「bar」と書いてスペイン語で「バル」と読むこのレストラン形態は、スペインにおいてはお酒を提供するだけでなく、朝食や軽食も提供するオールデイダイニング的な存在だ。そしておいしいものを食べながら、会話を楽しむ社交の場でもある。缶詰バルの営業時間は11時30分から20時まで。スペインの豊かな食文化を一日中、いつでも気軽に味わえる、新しいスポットが誕生した。

OGA BAR(オガバル) by 小笠原伯爵邸
所在地 東京都新宿区河田町10-10
電話番号 03-3359-5830
営業時間 11:30~20:00(L.O.および商品購入は19:30まで)
席数 屋内30席(スタンディングカウンター有)、屋外16席
価格帯 缶詰1缶800円~、スペインワイン800円~、シェリー500円~、コーヒー650円~
定休日 なし
予約 不可
URL http://www.ogasawaratei.com/

2016.04.28(木)