スペイン北部、バスク州。スペイン語とは異なるバスク語を話すバスク人により独自の文化が守られているこの自治州で最も大きな町が、ビルバオ。20世紀後半からの町再生計画により、かつての工業都市もすっかりアートの街に大変貌をとげた。

 今やバスク州一の観光都市となったビルバオのレストラン、バル、そしてステイ先をご紹介。

» 第1回 エンタテインメント型3ツ星レストラン
» 第3回 アートの街ならではのデザイナーズホテル

◆La Viña del Ensanche
(ラ・ビーニャ・デル・エンサンチェ)

ホセリートのイベリコにこだわる地元の超人気店

ロモという背中の肉とバゲットの間にはチーズとフォアグラとリンゴのソース。これを食べたら日本に帰りたくなくなる。4切れ12ユーロ

 はっきり言おう。バスクで巡った15軒ほどのバルの中で、ここがナンバー1だ。1927年創業、ビルバオでは最古参だ。「世界で一番美味しいハム」といわれるホセリートのハムを使うようになったバルとしてはスペイン初。塩分が低く、甘味があるのが特徴の生ハムはねっとりと舌に旨味が絡み付く。

 朝から深夜にかけて、子どもからお年寄り、学生から会社の重役までが集まってきて、“これぞビルバオ”という光景が見られる。地元に愛されるバルとして続けてきたのが成功の秘訣か。

一番人気。キノコとフォアグラとポテトクリーム。リーズナブルで早いサービスを心がけている。3.50ユーロ
3代目のフアンが丁寧で積極的な経営をしている。外にはテラス席もある。

La Viña del Ensanche(ラ・ビーニャ・デル・エンサンチェ)
所在地 Diputación 10, Bilbao
電話番号 +34-944-155-615
営業時間 8:30~23:00(土曜12:00~翌1:00)
定休日 日曜、祝日
URL http://www.lavinadelensanche.com/

撮影=橋本 篤