シェフはベルギー大使館も推薦の凄腕

 予約が取れない吉祥寺の人気赤身肉専門店「肉山」の光山英明氏が、また、動いた。すでに年末まで予約がいっぱいの「肉と日本酒」のプロデュースに続き、彼が辣腕をふるったのは日本橋。

 この地でレストランを営んでいたオーナーシェフの住友健一郎氏は、ベルギーのル・サングリエ・デ・ザルデンヌで修行を積み、30歳を前に帰国。その後、4年間、BBCアントワープセントラルの総料理長を務めたという経歴の持ち主。

 そして2009年、ベルギーフレンチの「ビストロ・クゥイエット・デュ・ブーケ」を構えた。ベルギー大使館お墨付きレストランにもなった同店だったが、このたびすべてを一新。路地の奥にひっそり佇むレストランに、光山魂が注入されたのである。

瀟洒な建物の2階。JR神田駅、東京メトロ三越前駅からは5分ほど。少々場所がわかりづらいので、要注意。江戸通りからミニストップ脇の路地を入るのがおすすめだ。

 まずは、店名を一新。初見で光山氏が「名前が長いわ!」と一蹴したのが想像できる。とにかくすっきりさせたかったのだろう。

 光山氏は、Facebookのタイムライン上で公募をかけた。そして、かなりの盛り上がりのなか決まったのが、「肉友」。偶然にもシェフの名字からひと文字が入り、肉の力も感じるすばらしい店名に決まった。

 店内は、4名掛けテーブルが4卓。客席からはキッチンがほどよく見え、漂ってくるおいしい香りに次の料理が待ちきれない。

 奥には6名収容可能の個室もあるので、プライベートなパーティにもおすすめだ。

入口のプレートに、風格あふれる「肉友」の文字が。

 そして、2016年6月1日、ついにオープンの日を迎える。

 コースは肉中心のものへと刷新。季節により内容が変わる6,500円のコース1本にしぼられた。

 まずは、アミューズが3品。フォアグラトースト、生野菜とハム、そして、豚のしっぽ(すべてメニュー名のまま)。

バゲットの上にフォアグラのテリーヌ。それを覆うかのように惜しみなく削られたトリュフ。
豚のしっぽってこんなに立派だったのか!? と、骨周りをしゃぶるようにしていただく。脂のうまみがたまらない。食欲も止まらない。早速、プレミアムモルツをお代わり。

2016.07.04(月)
文・撮影=Keiko Spice