LOVE:酒菜
魚介に肉に、ポテトサラダまで! 美味狂宴の一夜を過ごす

心斎橋|和洋酒菜ひで

 またもや素晴らしい居酒屋に乱入してしまった。申し訳ない。

 場所は大阪の心斎橋。カウンター10席ほどの小さな居酒屋さんだが、吉祥寺「肉山」店主・光山さんのお兄さんがやっていることを聞きつけて所用のあとに参上!

 毎日書かれている手書きメニューには、日本各地の漁港から集合した魚介類。最近魚の仕事をしていて少しだけ産地の名前を覚えたが、覚えたばかりの「仙鳳趾のカキ」や「サロマ湖の貝柱」に出会えて感激である。

 しかし、初回なので「どうしても食べたい!」というものだけお願いして、あとはおまかせに。「肉山」同様に〆には卵かけごはんがあることをチェックずみので、「白飯はあるな」と目の端で確認する。

つき出しのひと口ウニ。聞かなかったけれど多分バフンですよね。

 いきなり登場したのはひと口ウニ! お通しのように出てくるのがウニ! 無造作に盛られつつ、きりりとした粒がはっきりしたウニ! とても甘くて昆布だしのような優しい味のウニでした。カウンターパンチにクラクラしていると、次はセコ蟹。これもまた美しい。旨みを蓄えた水分が出てしまわずに、すべて身のなかに入ってプリっとしている。

セコ蟹。卵が別添ってなにげに身と混じらなくてうれしいと思うのです。
ふぐ皮。ぽん酢とみょうが、ねぎに唐辛子も。

 最近大好物のお刺身コーナーに突入すると、ふぐ皮、シマアジ、ブリ。シマアジとブリは盛り合わせでなく、切り身がそれぞれお皿にのり、醤油をまとって出てくるのでまるでお寿司のようだ。おろしたてのわさびもそれぞれについているという幸せ……。

左:シマアジ。鹿児島からのようです。
右:ブリは石川県。

「エッジのきいたお刺身でごはんを食べるのが最高」と以前ここで書いたような気がするが、そのお手本のような、すっくと立ったお刺身なのだ。ああ、ごはんが食べたい。しかし、ここは酒菜のお店。日本酒で通しましたよ!

2015.01.12(月)
文・撮影=北條芽以