意外にもなかった一皿ごとの日本酒ペアリング、決め手は「酸」
ここでちょっとこのお店がどうして人気なのかをお話ししておきましょう。
こちらの最大の強みは兎にも角にも「最高のペアリング」。秘蔵酒も含め250銘柄以上から料理に合う最高の1本をマリアージュする、お酒担当の赤星慶太さん。
料理担当はNYから一緒に帰国した熊谷道広さん。熊谷さんの料理だから赤星さんはこれがベストというお酒を選ぶことができ、また、赤星さんの選ぶお酒だから熊谷さんの料理が成立しているのです。
2人の信頼関係があってこそ最高のペアリングができるというわけですが、その決め手は「酸」なのだそう。ソムリエ時代から乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸を仕分ける訓練を徹底的にした赤星さん。料理に何の酸が入っているかわかれば、同じ酸を持つお酒を合わせれば良いというわけ。
これ、並大抵のことではできないですよ。で、わかったところで今度は“合わせるセンス”という関門が。
合わせ方は5~6通りあって、お客さまの反応を見て方向性を決めるのだそう。だから2杯目が勝負なんですって。
この話は長くなるのでここから先はぜひお店で聞いてください。本当に目からウロコ、面白くて何時間でも聞けちゃいます。なにせ実験もできますからね。
2016.06.27(月)
文・撮影=高橋綾子