アボリジニの文化と砂漠の自然に触れる

アリススプリングスに到着。ここでザ・ガンを下車。

 翌朝、目覚めて外を見るとすでに大地の色が赤に変わっていた。アリススプリングスに到着。ここで、ザ・ガンに別れを告げてウルル-カタ・ジュタ国立公園に向かう。

 このアリススプリングスの町で、2カ所に立ち寄る。

 オーストラリアの先住民であるアボリジニは、自らの言語を持ちながら、文字を持っておらず、岩や大地に絵を描いて情報伝達をしてきた。なので、アボリジナル・アートは単なる柄ではなく、意味合いを持っているもの。

 現在、ギャラリーなどで見ることができるアボリジナル・アートは、1971年にオーストラリアにやってきたイギリス人の美術教師が、キャンバスにアクリル絵の具で描くことをアボリジニたちに勧めたことで始まったものという。ドット(点描)や物を透かして描く手法が特徴的。伝統的には褐色や黄色、オフホワイトといった色が用いられていたが、今日の作品はとても鮮やかだ。

左:エルメスのスカーフに絵柄が採用されたこともあるGloria Petyarreの作品を手にした「ムバンチュア・ギャラリー」の黒田さん。これは550オーストラリアドル。
右:どれも心引かれる、壁を飾るアート。

 ダウンタウンのギャラリー「ムバンチュア・ギャラリー」で働く日本人の黒田智子さんは、アボリジナル・アートに魅せられて、アリススプリングスにやってきた。「たくさんの点を描くことで、大切なものを隠していることもあるようです。全部の絵が何かの意味を持っているんですね」という。壁一面の大きな絵から手軽に買える小さな絵までたくさん揃っていた。

Mbantua Gallery(ムバンチュア・ギャラリー)
所在地 64 Todd Mall, Alice Springs NT 0871
電話番号 08-8952-5571
URL http://www.mbantua.com.au/

オーストラリアでお約束のカンガルーですが、もはや野生という感じ。

 砂漠の動物や鳥類たちのテーマパーク「アリススプリングス・デザートパーク」は、ギレン山を後ろに控えた広大な園内で、珍しい動物たちがあたかも野生のように暮らしている。ちょっと驚く演技を見せる鳥のショーや夜行動物エリアも工夫されていて、想像以上に面白く、おすすめ。

鳥がまるで救急車の音そのものの声で鳴いたり、フクロウが観客の頭上すれすれに飛び回ったりするショーは、どうやって訓練したのか、すごすぎる。
このトゲトゲの恐ろしげな姿は、モロクトカゲ。Thorny Devilと、英語ではデビルがつく。小さいけれど存在感がある。この後、ウルルで見たという人も。

Alice Springs Desert Park
(アリススプリングス・デザートパーク)

所在地 Larapinta Drive, Alice Springs NT 0871
電話番号 08-8951-8788
URL http://www.alicespringsdesertpark.com.au/

2016.04.19(火)
文・撮影=小野アムスデン道子