アメリカ西海岸で人気の旅先、サンフランシスコからちょっと足を延ばせば、異なる魅力を持つ場所がいっぱい。

 まずは、カリフォルニアの誇るワインカントリーへ。かわいいソノマの町やサンタローザにあるスヌーピーファンの聖地、ナパのワイントレインなどを紹介。また、サンフランシスコ市街から車で45分の位置にある太平洋に突き出したような絶壁、その上に緑のゴルフコースが広がるハーフムーンベイも訪れます。

古きよき町で腕をふるうのは日本人シェフ

ソノマプラザのランドマークは、この市庁舎。アメリカの国旗とカリフォルニアの州旗が掲げられている。

前回は、陽光のサンフランシスコから足を延ばして、シエラネバダ山脈の自然に囲まれたレイクタホを訪れたが、カリフォルニアまで来たらやっぱりワインカントリーも気になる。カリフォルニアの州都であるサクラメントを通過して、ソノマを目指す。車で3~4時間、ソノマの町の中心地であるソノマプラザに到着。

 のどかな町は、歴史的な建物が多く、時間がゆっくりと過ぎるような気がする。メキシコのような、スペインの田舎のような、どこか独特の雰囲気は、この町の歴史に起因するのかも。

「レドソン・ホテル」(写真右)の隣の「セバスティアーニ・シアター」は1933年築。1934年の映画初上映の時の鑑賞料は30セントだったとか。

 16世紀にスペインの伝道師たちによって開かれ、19世紀はじめにはスペインから独立したメキシコの町となるが、1846年に起ったアメリカ・メキシコ戦争でアメリカ人が「クマの旗」を掲げてクーデター。その後をアメリカが引き継いで現在に至っている。今もカリフォルニアの州旗は、このクマの旗を元にしていて、そこにはカリフォルニア共和国という文字も入っているのだ。

 ソノマプラザの一画にある「レドソン・ホテル」の1階に入ったビストロ「ジナ・ラウンジ」でランチを取る。

フレンチの修業を経て、ハワイからソノマに移ったという曽木シェフ。

 ワインとペアリングした料理を作るのは日本人シェフ曽木善治氏。フレンチを基本にアジアンテイストを加えたクリエイティブな料理が地元でも人気だ。ワインはいずれも、8代目というオーナーが畑を持つアンダーソン・バレーのもので、ジナ・ハイド・カニングハムという最初の当主の名前がつく。ピノノワールとシャルドネが有名だそう。

左:2013年のシャルドネ・リザーブに合わせて出たのはカボチャのビスク。濃厚な味のスープと白ワインが合う。
右:メインの料理は、ワインが2012年カベルネ・ソーヴィニヨンなので和牛のフィレミニョンステーキをチョイス。野菜を生かした盛りつけがきれい。

Zina Lounge(ジナ・ラウンジ)
所在地 480 1st St E, Sonoma, CA 95476
電話番号 707-996-9779
URL http://www.ledsonhotel.com/

2016.02.01(月)
文・撮影=小野アムスデン道子