神秘の表情を見せるウルルとカタ・ジュタと対面

夕暮れに浮かび上がるカタ・ジュタ。36の岩からなり、オルガ岩群とも言われる。

 アリススプリングスからウルル-カタ・ジュタ国立公園へ行く場合は、飛行機でエアーズロック空港まで飛ぶ。車だとキングスキャニオン越えがあって、6~7時間かかる距離だが、飛行機だとわずか45分ほど。上空からウルルの姿が見えると気持ちが上がる。確かに雲の切れ目から見えるアボリジニの聖地ウルルの姿は神々しく、広大な大地にそこだけスポットが当たるよう。

 夕方の到着だったので、宿泊する「エアーズロック・リゾート」の「セイルズ・イン・ザ・デザート」にチェックイン。このリゾートは、ホテルにドミトリー、キャンプ場、レストランやショッピング施設まで揃う。

テーブルにはキャンドルが灯り、砂漠の中でロマンチックなディナー。

 すぐに、砂漠の真ん中で、暮れてゆく空、ウルルとカタ・ジュタを眺めながらスパークリングワインを傾けてのディナーを楽しめるラグジュアリーなダイニング「サウンド・オブ・サイレンス」へ。アボリジニの楽器「ディジュリドゥ」のうなるような音が会場に響くなか、日が落ちてゆく。

唇の振動を使って音を出す「ディジュリドゥ」の不思議な音が広がってゆく。

Ayers Rock Resort(エアーズロック・リゾート)
所在地 170 Yulara Dr, Yulara NT 0872
電話番号 02-8296-8010
URL https://www.ayersrockresort.com.au/
※サウンド・オブ・サイレンス、マルクアート・ドットペインティングショップ(次頁)のお問い合わせ先もこちら

 翌朝は、日の出前にウルルを目指す。朝日を浴びて、時間の経過とともに移り変わる表情を見に行くのだ。

だんだんと朝日が射して褐色の地肌が見える。
時間によって日の当たる場所が移るので、見る側も場所を移動する。
ウルルからパワーをいただきます。

 そして日が昇った。今度は、真っ青な空に堂々とした姿を見せるウルル。地上に見える部分は高さが348メートルだが、地下には6000メートルまでこの砂岩が埋まっているという。どっしりと構える母親のような感じがして、パワーをもらえたような気がする。

 ウルル-カタ・ジュタ国立公園は、世界自然遺産であり文化遺産。アボリジニにとって神聖な場所であり、今でも様々な儀式が行われる。なので、立ち入りや撮影が禁止のエリアもあり、敬う気持ちを持って訪問するべき場所なのだ。

本当にハートの形にきれいにくぼんだ岩。ここは、ウルルのクニヤウォークの終点になるところ。

 訪れる時季や時間帯にもよるが、網付きの帽子をかぶった方がいいほどハエがいっぱい寄ってくるエリアもある。そんなハエを手で払いながら、ウルルを進んでいくと、岩にハート型のくぼみがあったり、岩の間の水に四つ葉の浮き草があったりと、ちょっとした発見も。

 午後から、カタ・ジュタに移動する。ここはたくさんの岩からなり、一番高いところで546メートル、周囲は36キロもあり、見る場所によって景観が大きく変わる。

カタ・ジュタの岩群が見られるビューイング・スポットより。
左:カタ・ジュタは見る場所を変えると、こんな大きな岩がそそり立つところも。
右:ワルパ・ゴージ・ウォークの終点は、水面に2つの岩が映って美しい。

 風の谷とワルパ・ゴージという2つの渓谷は、大きな岩の間を歩いていける。往復で2.6キロと歩きやすいワルパ・ゴージを散策した。

2016.04.19(火)
文・撮影=小野アムスデン道子