自身とまったく違う、おバカ&はっちゃけキャラ
――2013年放送の連続ドラマ「DANCE&MUSIC 熱血学園ドラマ 押忍!!ふんどし部!」では初主演を務めましたが、当時の心境はいかがでしたか?
舞台でやっていた作品のドラマ化に主演させてもらったわけですが、それまで映像の仕事はほとんどなかったんです。だから、ドラマは撮影がストーリー順じゃないことや、何度もリハーサルをすることも知らなかった。つまり、右も左もわからないプレッシャーだらけのなかで、事務所の大先輩である古田新太さんと共演するとか、ものスゴい経験をさせてもらいました。「テニミュ」のときもそうですが、生半可な気持ちや努力ではやり遂げられない状況を与えられ、それを乗り越えたからこそ、今の自分があると思います。とにかく、目の前のことを必死にやるしかなかった。でも、今思うと、度胸もつきましたし、真面目に誠実にやることって間違いじゃないって思いましたし、それが自信にも繋がりました。
――その後、クイズバカの昭島司役が印象的だった「ごめんね青春!」のほか、「学校のカイダン」「She」などの連ドラにも出演されますが、「押忍ふん」で主演を務めたことで、自身の中で演技に対する考えは変わりましたか?
そうですね。僕の性格とはまったく違う、どこかおバカで、はっちゃけた役柄を演じることに苦戦しました。まずはテンションを上げなきゃいけないんです。「ごめんね青春!」の後に「学校のカイダン」「She」と、そういうキャラクターが続いたことで、「これは神様からの試練に違いない」と思うことにしました(笑)。普段から人との接し方を変えたりして、そういった役を演じることに対する抵抗はなくなりましたし、やってよかったと思います。あのドラマを観てくれた方々が、実際の僕もそういうタイプの人間と思ってくれたようで……(笑)。でも、それは役者として、とてもうれしいことだと思います。
2015.12.18(金)
文=くれい響
撮影=深野未季