異色のロードムービーとして一部で話題を呼んだ『カニを喰べる。』の続編となる『羊をかぞえる。』。前作に続いて、脱力系キャラの田宮を演じた染谷俊之が、W主演を務めた赤澤燈との相性の良さを語る。
教師になる夢を捨て、俳優の道へ
――この業界に入られたきっかけを教えてください。
もともと僕は教師を目指して、大学では教職を取っていました。偶然お母さんが、今の事務所の社長が経営しているブティックの常連のお客さんで、手元にあった僕の高校の卒業式のときの写真を社長に見せたら、面接することになったんです。そして、20歳になる直前に、事務所に入ることになりました。
――染谷さん自身、教師とは違う道に進むことに関して、どう思われましたか?
じつはちょっとだけ俳優に興味があって、高校生のときに友達が勝手に書類を出して応募したことで、養成所に入っていた経験もあるんです。最初の頃は大学に行きながらの仕事ということもあって、映画やドラマのエキストラの仕事ばかりでしたね。でも、ウェブで募集された「若手イケメン俳優コンテスト」でグランプリをいただいたことなどで、少しずつ気持ちが変わっていきました。
――09年には連続ドラマ「恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ~」にレギュラー出演されましたが、そのときの心境を教えてください。
「恋して悪魔」のレギュラーに決まった頃、ドラマを選ぶか、教育実習を選ぶか、という選択を迫られて、完全に俳優の道に進むことを選んだんです。伊逹政之という役をいただいて、とても嬉しかったんですが、なにしろ初めてのことばかりで、かなり緊張しましたね。
2015.10.09(金)
文=くれい響
撮影=細田忠