念願だった「テニミュ」に出演

――それでは俳優としての転機となった作品は?

 その後、舞台をたくさんやらせてもらえるようになったのですが、初めて商業としてやらせていただいた舞台「ロイヤルホ☆ト」です。タイトルどおり、ホストの役だったのですが、それまでの現場では味わえなかった感情、お芝居っていいな、俳優っていいなと思うきっかけになった作品でした。

――12年からは「ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン(テニミュ)」で、平古場凛役を演じることになりましたが、この作品も大きな転機になったのでは?

 そうですね。僕がエキストラをやっていたときから、「テニミュ」の存在は若手俳優の登竜門的存在として有名で、「自分にとって手の届かない作品だけど、いつかは……」と思っていたので、決まったときは嬉しかったですね。それに「テニミュ」に出させていただいたことで、それまで700人ぐらいだったツイッターのフォロワーの数が一気に2万人ぐらいになったのは有難かったですね。

――その後、14年公開の映画『カバディーン!~花吹雪高校篇~』では主演を務めることになりますが、映画主演というプレッシャーのようなものはありましたか?

 急遽マネージャーさんから「明後日から1週間ぐらい、下田で映画の撮影するよ」と言われたぐらいバタバタだったので、あまり主演というものを意識しなかった、というかできなかったですね(笑)。あと、カバディというチームスポーツを扱った作品なので、自分が自分がと主張するというより、ほかのキャストと一緒になって一生懸命、作品作りを頑張っていましたね。

2015.10.09(金)
文=くれい響
撮影=細田忠