イケメン美術部部員を演じた主演映画『通学途中』

――劇中では「綺麗な星を持っている」など、なかなか言えないセリフや、ユキ役の森川葵さんとのキスシーンもありますが、いかがでしたか。

 コウは美術部の部員なので、芸術家のイメージで、ちょっと他人とは違ったものの捉え方をするキャラ。だからこそ、傍から見てちょっと不思議で取っ付きづらさが出ればいいかなと思いました。そういう彼の感性だから、ああいう言葉のチョイスもあるのかなと。でも、役に入ると、あまり力が入りすぎず、気にせずに演じられたかなと思います。葵ちゃんは僕の3歳年上ですが、現場に入って役として演じているので、やりにくさみたいなものはなかったです。

――ちなみに、本作では今までとはどう違う中川大志が見られると思いますか?

 どちらかというと内面でユキへの想いをとどめていて、表情で語る部分も多いキャラクターですし、芸術的センスがある役を演じることもあまりないので目新しいかもしれません。葵ちゃんとは「監獄学園」でも共演していますが、この映画ではお互い全然違うキャラクターで、全然違う絡み方をしているので、そこに衝撃を受けてもらいたいですね(笑)。

――来年の大河ドラマ「真田丸」では豊臣秀頼を演じる中川さんですが、将来の目標を教えてください。

 今は等身大の自分自身で演じられる学生役をやることが多いですが、今後高校を卒業したら、ちょっとずつ年齢が上の役を演じることで、演技の幅も広がると思うんです。いろんな人生、いろんな職業に染まれるのが役者の面白いところだと思います。そういう意味では大人になることによってできる役どころが増えると思うんですけれど、どんな役でもどんどんやっていきたい。それで役の大きさに関係なく、映画を観終わった後に「あの人がやった役、面白かったよね」と思ってもらえる役者になりたいですね。事務所の先輩でもある山田孝之さんと市原隼人さんに憧れていて、いろいろと感化されています。

中川大志(なかがわ・たいし)
1998年6月14日生まれ。東京都出身。2009年7月に俳優デビューし、翌10年に映画デビュー。その後、「家政婦のミタ」「水球ヤンキース」「地獄先生ぬ~べ~」などのドラマに出演。現在、主演を務める「監獄学園-プリズンスクール-」「南くんの恋人~my little lover」が放送中。

『通学シリーズ 通学途中』
内向的で不器用な女子高生・ユキ(森川葵)は、コンビニで働いている意中の彼がいる。だが、彼には付き合っている人がいて、現実を直視できず、逆に思いは募るばかりだった。一方、そんな彼女を同じ美術部の部員であるコウ(中川大志)が温かく見つめていた。
(C)みゆ・エブリスタ・(C)2015「通学シリーズ」製作委員会
池袋HUMAXシネマズ、渋谷HUMAXシネマほかにて、絶賛公開中。全国順次公開予定。
http://tsugaku-movie.jp/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2015.12.04(金)
文=くれい響
撮影=佐藤亘