初めて連ドラレギュラーを体験した「家政婦のミタ」

――2011年にはガールズ・ティーン・ファッション誌「nicola」のメンズモデルを務めましたね。

 そのときは小さい役ながらも、すでに役者としてのお仕事をやっていたので、自分からあまりモデルのお仕事をやりたいとは思っていなかったんです。でも、スチール撮影に慣れていなかったこともあって、とても勉強にもなりましたし、女のコのモデルと一緒のデート企画など、いろんな企画をやるのも、新鮮で楽しかったです。

――その年には社会現象にもなった「家政婦のミタ」で長男・翔役を務め、翌年以降「13歳のハローワーク」「GTO」「夜行観覧車」などの連ドラにも出演されますが、心境の変化はありましたか?

 それに伴って、実際の自分も中学生から高校生へと成長していったので、特に何か大きな変化があったとは思いません。ただ、中学生になったときから、たとえば「GTO」とか、実年齢よりも上の役を演じることが多くなったんです。実際は中学生なのに高校生の役を演じることで、少なからず想像で役作りしなければいけなくなったと思います。あと、年齢が上の方たちとお仕事をすることも多くなりました。

――自身の転機となった作品は?

 やっぱり、初めてレギュラーで連ドラに出させてもらった「家政婦のミタ」ですね。世間からの注目もそうですが、そこまでキャリアもなく、分からないことが多く、監督から与えられたことだけを、言われた通りにやるというのが当たり前だった僕が、監督から「もっと自分のやりたいようにやっていいんだよ」と言われたんです。自分の役なのだから、監督の理想に近づけながら、もっと自分で発信してもいいんだと。それで新たな役者の面白さみたいなものを感じました。

2015.12.04(金)
文=くれい響
撮影=佐藤亘