この曲から思い浮かぶのは高校球児の姿?
伊藤 マダムの熱量に負けていないのがSPYAIRの歌詞、とにかく熱い歌詞が印象的。なんとなくイマドキの若者って“熱いのとかウザい”って思っているように見えがちですけど、やっぱりこういう熱いのも大切。“熱くて悪りぃーか!”精神でファンを増やしていっているんでしょうね。
山口 高い熱量を感じますね。熱量といえば、ニュースを見る暇もないほど伊藤さんに大活躍してもらった「クリエイターズキャンプ真鶴」は150人位のクリエイターが集まって、すごい熱量でした。僕にとっては近年一番の事件でした。レポート(外部リンク)も掲載されているのでご覧ください。継続してやっていきます。
伊藤 最近は感じなかった熱量がクリエイターたちから溢れていて、音楽こそ“これから”って雰囲気が出ていました。とにかく楽しかったです。
SPYAIRの「アイム・ア・ビリーバー」ですが、サビ中に「誰かにもし、これ以上は無駄。ってライン引かれたって ノーサンキュー!! 越えていくから」ってフレーズがあって。これって普通に酒でも飲みながら言ったら、けっこうキモがられる恐れがあるけど、彼らが歌うとカッコイイ。いや、カッコつけてないと言えないセリフ。「欲しいのは 次のマイセルフ」って歌うんだから“カッコつけ上等”ってことだよね。このまま突き進んでほしいバンドです!
山口 では、恒例の妄想分析を教えてください。この楽曲と歌詞から、作詞アナリスト伊藤涼に見えてくる世界はどうなりますか?
伊藤 深く頭を下げ、謝罪の言葉をゆっくりと絞り出す。チーム全員が集まる前で涙が止められない。悪いのはオレだっていうのは明確だったし、負けたのもオレのせいだ。もういいよ、とか、おまえだけのせいじゃない、とか、チームメイトの声が頭をポロポロと越えてゆく。何人かがオレの肩を叩き、その手がやけに熱く湿っていて、一生忘れることの出来なそうな感触。
ついさっきオレの指の間をすり抜け落ちていった夢、つかめなかったのは太陽のせいでもなく、風のせいでもない。カッコばっかつけて、逃げてきた自分がつくった、最高にダサい自分。泥まじりの涙と鼻水、ヒックヒックいいながら謝るキモ男。どうせこれ以上ダサくなれないだろうから、明日からいっちょ熱くなってやる。
山口 高校球児ですか? スポーツに興味のない伊藤さんにしては珍しい世界ですね(笑)。
SPYAIR「アイム・ア・ビリーバー」
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ 2015年10月21日発売
期間限定盤[CD]1,111円、通常盤[CD]926円(税抜)
■SPYAIRはヴォーカルのIKE、ギター&プログラミングのUZ、ベースのMOMIKEN、ドラムスのKENTAからなる、2010年にメジャーデビューを果たした4人組。本作の表題曲は「ハイキュー!! セカンドシーズン」のオープニングテーマ。12月には、日本ガイシホールおよびさいたまスーパーアリーナにおいて初の2大アリーナツアーを行う。
■「アイム・ア・ビリーバー」作詞/MOMIKEN 作曲・編曲/UZ
■オフィシャルサイトURL http://www.spyair.net/
2015.10.14(水)
文=山口哲一、伊藤涼