【次に流行るもう一曲】
THE BAWDIES「SUNSHINE」
邦楽ファンの成熟ぶりを証明するロックバンド
伊藤 2曲目は、やっぱり熱いロックバンド、THE BAWDIESの「SUNSHINE」。けっこうこのバンドの読み方を知らない人がいるので教えておきます。“ザ・ボゥディーズ”っていいます(笑)。
山口 僕は知っていますよ(笑)。ライブも何回か観ています。メジャーデビュー前から業界関係者から評判の高いバンドでした。
伊藤 このバンドをはじめて知ったのは、あるJポップのアーティストの楽曲コンペ。リファレンスとして彼らのメジャー3rdシングル「JUST BE COOL」のリンクが張られていて、聴いてみると「なにこれ日本人?」って感じで、歌詞も英語だし日本人じゃ聴いたことない声。これなら洋楽でいいじゃん! って最初は思ったけど、よく聴くとなんとも言えずルーツミュージックと日本人とのミクスチャー。とにかく唯一無二なミクスチャー感が世界でも受け入れられてるみたいですね。
山口 THE BAWDIESがロックシーンに普通に存在しているのは、日本の音楽ファンの成熟の証拠ですね。僕らの世代が聞くと、old fashionedな音楽スタイルです。最初にステージ観た時は、「え、若い子がロカビリーやってるの?」と驚きました(笑)。ファッションも含めて、スタイリッシュな格好いいロックバンドとして捉えられて、若い女性ファンが嬌声を上げている。「これがアリなんだ!」というのは新鮮な発見でした。日本の音楽シーンでは、ジャンル感は何でもありで、やりたい音楽性で勝負すればよい、それでもついてきてくれるファンがいるということを教えてくれた気がします。そういう意味でTHE BAWDIESの成功例は、これからのバンドに勇気を与えてくれたと思っています。
伊藤 なるほど、発信する側にも影響を与えるバンドなんですね。ルーツミュージックに触れたことのない人にとっても、THE BAWDIESの音楽は新鮮だろうから、ぜひお試しあれ!!
THE BAWDIES「SUNSHINE」
ビクターエンタテインメント 2015年10月28日発売
初回限定盤[CD+DVD]1,800円、通常盤[CD]1,200円(税抜)
■THE BAWDIESは、ROY、JIM、MARCY、TAXMANからなる、2009年にメジャーデビューを果たした4人組。2015年前半は2度目の武道館公演、ホール公演、そしてヨーロッパツアーと快進撃を続けた。本作の表題曲では、プロデューサーにペトロールズの長岡亮介を迎え、バイオリンやペダルスティールギター、男女混声コーラスを導入している。
■「SUNSHINE」作詞・作曲/RYO WATANABE 編曲/THE BAWDIES
■オフィシャルサイトURL http://thebawdies.com/
Column
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2015.10.14(水)
文=山口哲一、伊藤涼