音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

 さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?

【次に流行る曲】
Happiness「REWIND」

ツアーファイナルも即日完売という人気

伊藤 今回は、Happinessの10枚目のシングル「REWIND」。2016年10月にリリースしたアルバムがオリコンウィークリー2位を獲得し、2016年の11月から始まった初の単独全国ツアーも大盛況。2017年1月17日に行われた追加公演のファイナル@東京国際フォーラムのチケットも即日完売だったんですって。

山口 盛り上がっているんですね?

伊藤 そう“今”キテる感じがプンプンするグループです。

山口 近年は、事務所単位でシーンがあって、それぞれ音楽的なジャンルを受け持っていて、その中で競い合いがあるというように見えるのですが、そういう意味ではLDHのダンスミュージックというカテゴリーの中で、今は、Happinessがキテるってことですかね?

伊藤 キテるっていうより2017年遂に! って感じです。サウンド的にどんどんハードになってきていて、尖るところまで尖ってしまおうって覚悟が聞こえてきます。なんだかLDH系の各グループのカラーがはっきりしてきて、ダンスという大きな軸はあるけど、その中でも幅の広さが出てきました。

山口 本コラムのために、Happinessの変遷を改めて確認したんですが、LDHのダンススクール出身で、EXILEのライブサポートからキャリアをスタート。その後、「Happiness vs Flower」の対決企画として2組がそれぞれ武者修行ツアー。まさに、一つのシーンをつくっていくという意図でビジョンを持って取り組んでいることがよくわかります。

伊藤 シーンというのはユーザーが作っていくものではないんですか?

山口 新しいシーンを作るという意欲を持った複数のアーティストやプロデューサーの存在は必須でしょうね。ただ、最終的にはユーザーが興味を持って、楽しんでくれるようにならないとシーンとは呼べないので、やはりファンがつくるものですね。

2017.01.30(月)
文=山口哲一、伊藤涼