世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第101回は、小野アムスデン道子さんがマレーシアの首都クアラルンプールで参加した魅力いっぱいのウォーキングツアーについてレポートします!

英国統治時代にタイムトリップ

街のどこにいても目立つ「ペトロナスツインタワー」。周辺ではまだまだ開発が続く。

 マレーシアの首都クアラルンプール。ツインタワーとしては世界一の高さを誇る超高層ビル「ペトロナスツインタワー」がそびえ、ショッピングセンターやビルが立ち並ぶ一方で、華やかな民族衣装が売られる通りや屋台の並ぶ賑やかな市場には昔ながらの風情も漂う。ドーム型の屋根が目立つイスラム教のモスク、色とりどりの神様が並ぶヒンズー教寺院、鮮やかな色の中国寺院、そしてキリスト教の教会もあり、ダイバーシティ(多様性)とは、まさにこの街を表現する言葉。

英国統治時代の政府の印刷所だったクラシックな建物の前に真っ赤なモニュメント。記念写真を撮る人のためにバッグを置くボックスがあるのも気が利いている。

 そんなクアラルンプールで、在マレーシアの方から、なんと無料という太っ腹のウォーキングツアー情報を教えてもらった。

 スタート場所は、クアラルンプールのオールドタウンにあるムルデカ広場のそば。ムルデカ広場は、1957年にマレーシアの前身であるマラヤ連邦が英国の統治から独立宣言を果たした記念の場所で、周辺には英国統治時代の歴史的建物も多い。

 この広場の近くにあり、「I LOVE KL」の真っ赤なモニュメントがひと際目立つのが、無料ツアーの出発点になる「クアラルンプール(KL)シティ・ギャラリー」だ。

入り口前にも無料ツアーの案内が立つ。ギャラリーの中にはカフェも。

 ここは「アーチ」というマレーシアの木製クラフトのギャラリーなのだが、入り口はクアラルンプールのツーリストインフォメーションにもなっている。

 無料ツアーは、このKLシティ・ギャラリーの周辺で英国統治時代の名残りをとどめる史跡を巡るツアー(月・水・土の8:30~11:45、出発地はKLシティ・ギャラリー)と伝統的なマレーの高床式建物が残るカンポンバルというエリアを巡るツアー(火・木・日の16:30~、出発地はケラブ・スルタン・スレイマン)の2種類。参加には、下記のクアラルンプール シティホール観光課へ電話かeメールでの申し込みが必要で、英語でのツアーになるが、なんといってもタダ。クアラルンプールの歴史の説明を聞きながらの街歩きに参加してみることに。

まずは、簡単なツアー参加登録用紙を記入。
そして、KLシティ・ギャラリー内の展示を見ながらクアラルンプールの歴史についての説明を聞く。

クアラルンプール シティホール観光課
電話番号 +60-3-2698-0332
URL http://www.visitkl.gov.my/

「オールド・クアラルンプール」の様子をまるで見てきたかのように話すのは、ボランティアガイドのエズリーンさん。

 マレーシアは、マラッカ王国から始まったが、クアラルンプールはスズの発掘地として栄えたところ。19世紀中頃に、このスズを採掘するために多くの中国人がやってきて開発された。

 そして、現代のクアラルンプールから未来までは、ジオラマショーで。これを単体で見学すると5リンギット必要だが、このツアーに参加すれば無料で見ることができる。

40×50フィートのジオラマにプロジェクションマッピングを使って。

2015.09.01(火)
文・撮影=小野アムスデン道子