音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!
さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?
【次に流行る曲】
Superfly「愛をからだに吹き込んで」
米倉涼子主演ドラマ「ドクターX」の主題歌
山口 今回はSuperflyですか? マネージメントにも、制作チームにも友人がいるので、デビュー当初から知っていました。裏話なども聞いていて、親近感があります。好きなアーティストの1人です。
伊藤 はい、「愛をからだに吹き込んで」はテレビ朝日系ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の主題歌。ドラマはシリーズ化していて、ずっとSuperflyが主題歌を担当しているので、もう米倉涼子演じるドクター大門未知子とSuperflyのヴォーカリスト越智志帆の声が見事にリンクしちゃってますよね。
山口 すいません。ちゃんとチェックできてないのですが、番組の予告編などでは雰囲気が合っているなと思ってました。
伊藤 それに、なんか久々にSuperflyらしい曲を聴いたって感じがしますね。力強くて疾走感があって、外に向けて歌っているっていう感じがロックらしい。ライブで盛り上がりそうな曲。
山口 そうですね。僕は、Superflyの音楽シーンにおける価値って、ルーツミュージックへのリスペクトと今っぽいファッション性を両立させてヒットを出していることだと思うんですよ。
伊藤 たしかに、ゴスペルっぽい匂いがしつつも、ジャニス・ジョプリンを連想させるブルースっぽさ、ロックっぽさを持っていますよね。ただ、それだけだったら日本でこんなに成功しなかったんでしょうけど、今っぽさとのフュージョンが上手くいったんでしょうね。
2014.11.15(土)
文=山口哲一、伊藤涼