【次に流行るもう一曲】
SCANDAL「Image」
海外におけるJポップの代表選手になる可能性
伊藤 同週にSCANDALのシングルもリリースなんですが、カップリングも含め、メンバーによる作詞作曲ですね。以前は他のアーティストによる楽曲提供が多かったのですが、今年に入ってからはメンバーによる楽曲制作が増えて、バンドとしての新しいフェーズって感じ。
山口 楽屋話をしたいわけではないのですが、今回の2組のアーティストは両方とも、僕にとっては、身内感があります。特にSCANDALはデビュー前から知っています。ずっとプロデュースをしている大平太一は、高校の1期上の先輩で、高校時代は一緒にバンドもやっていました。その後、彼がデビューする前のアマチュアバンドはマネージャーもしてました。SCANDALは、彼がチューニングの仕方から教えた、いわばつくられたアイドルバンドが、ここまで成長したのかと思うと、親戚のおじさんのように感無量です。
伊藤 親戚のおじさん目線で応援しているんですね(笑)。
山口 彼女たちが、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト/毎年、米テキサス州オースティンで行われる音楽祭)のJAPAN NITEというイベントに出て、アメリカツアーをする時もいろいろ相談に乗りました。
伊藤 楽曲「Image」に関しては、詞を大切にしてつくった印象を受けます。前向きな詞なんだけど、ネガティブな影が全体を覆っていて、夜明け前の誰もいない街っていう感じ。詞先で作ったのか、良い意味でアンバランス感が引っ掛かりますね。
山口 大平さんとは、以前対談した記事があるので、興味のある方はこちら(外部サイト)もどうぞ。楽曲コンペを否定して、最近の音楽制作の潮流とは逆の「歌詞が先」という作品作りを提唱するなど、彼の美意識が感じられる内容です。
伊藤 そういうことですね。
山口 実は、大平太一がやっていたthe REDS(その後マーキー・ムーンと改名)というバンドを思い出しました。曲の構成もサウンドの響きも、僕にとっては大平サウンドでした(笑)。
伊藤 じゃあSCANDALは、大平サウンドの後継者ってことですね。そのSCANDALは年内にアルバム、来年はワールドツアーを控えているようなので、このシングルで勢いをつけて欲しいですね。
山口 アニメの大型タイアップから始まり、欧米には珍しいガールズバンドという形態で、日本ならではのフォーマットのポップソングというのは、海外の日本ファンにとってみると、ど真ん中ストライクです。本格的にライブツアーをやっていくと、きゃりーぱみゅぱみゅ、Perfume、BABYMETALなどを超える、海外におけるJポップの代表選手になれる可能性がありますね。
SCANDAL「Image」
エピックレコードジャパン 2014年11月19日発売
972円(税抜)
■SCANDALは、2008年にメジャーデビューした4人組ガールズロックバンド。20枚目のシングルとなる本作の表題曲は「国際女子サッカークラブ選手権2014」公式応援ソング。12月3日には、6枚目のアルバム『HELLO WORLD』がリリースされる。
■「Image」作詞・作曲/MAMI 編曲/Keita Kawaguchi
■オフィシャルサイトURL http://www.scandal-4.com/
【動画サイト】
「Image」
URL https://www.youtube.com/watch?v=lLqkx8-bzlI
Column
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2014.11.15(土)
文=山口哲一、伊藤涼