極上のスパはセラピストの手の温かさと柔らかさから違う

バンヤンツリー・スパの入り口からトリートメントの部屋へ向かう。光る竹のモニュメントが幻想的。

 もう一つ、今回のバンコクで楽しみだったのが、バンヤンツリー・スパでのトリートメント。バンコクで、大使館などが並ぶハイエンドなサトーン通りにあるラグジュアリーなホテル「バンヤンツリー」の中にあるスパである。

 タイのバンヤンツリーには、日本人のコンシェルジュがいるので、コミュニケーションがとても楽。また、ここには屋上からの眺めが素晴らしいヴァーティゴ&ムーンバーというバーや、タイ料理、中華料理、寿司や鉄板焼きレストランもある。そして、スパは雰囲気も技術もバンコクでトップクラスだといえる。

トリートメントの間の香りをラベンダー、ローズ、ミントの中から選ぶ。

 スパのシグネチャーであるロイヤル・バンヤン(Royal Banyan)は、3時間におよぶトリートメントで、お値段は8,500バーツ(税・サ別)と少々張るけれど、これを受けるためだけにでもバンコクに来たいと思えるほどの心地よさだ。

 体調や力の入れ具合などのコンサルテーションの後、スパの香りとオイルを選ぶ。そして、最初に足を洗いながら、軽く両腕を指圧してくれるが、その時にセラピストの温かで柔らかな手にまず驚く。

(左上から時計回りに)ハーバル・バス、ハーバルボール、スクラブ、ペパーミント・ディフューザー(芳香器)が準備されている。

 そして、全身の軽い指圧、レモングラスとキュウリを混ぜたボディスクラブ、オイルマッサージを行った後は、ハーバルボールによる施術。レモングラス、クローブ、コリアンダーなどのハーブをガーゼに包んで温めたもので、全身をさするようにマッサージする。背中を中心に温めるためだけにこのハーバルボールを使うスパも多いが、こちらではマッサージに用いる。まさに至福の気持ちよさだ。

 続いて顔のトリートメントに移り、冷たい石を使って顔をさするフェイスマッサージはひんやり滑らかな石の感触にうっとりしてしまう。

 トリートメントの最後を締めるのは、バラの花ビラを浮かべた風呂に浸かりながら、お茶と新鮮な果物をいただくという贅沢なカームダウン。コンサルテーションや着替えなども入れるとたっぷり3時間、女王様な気分で心地よく素晴らしい時間を過ごすことができる。そして、終了後に、身体が柔らかくほぐされて、疲れが取れていることにも気づく。

 今回のバンコクは2泊で、ちょっと贅沢な自分のスイートスポットにはまる所を厳選した旅。忙しい毎日の間、短期間でリカバリーをするために、こんな旅の仕方もよいと思う。

バンヤンツリー ・スパ・バンコク(Banyan Tree Spa Bangkok)
所在地 21st Floor, Thai Wah Tower II, Sathorn Road, Bangkok 10120, Thailand
電話番号 +66-2-679-1200
URL http://www.banyantreespa.com/

 

小野アムスデン道子 (おの アムスデン みちこ)
ロンリープラネット日本語版の立ち上げより編集に携わったことから、ローカルグルメや非日常の体験などこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ ジャーナリストへ。エアライン機内誌、新聞、ウェブサイトなどへの寄稿や旅番組のコメンテーター、講演などを通して、次なる旅先の提案をしている。
Twitter https://twitter.com/ono_travel

 

Column

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2014.09.02(火)
文・撮影=小野アムスデン道子